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「住宅買い替え時の注意点」

2013/07/10 カテゴリー: 売買

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 こんにちは、今回のご相談は、今住んでいるマンションを売却(以下「売却契約」といいます。)して、戸建て住宅を購入(以下「購入契約」といいます。)されたAさんからのご相談です。Aさんは自宅マンションを業者Xの仲介で売却し、戸建て住宅を業者Yの仲介で購入する契約をしましたが、マンションの売却契約が解除されてしまい購入代金の支払いができなくなったので、これを理由に戸建て住宅の購入契約を解除することができるのだろうかとのご相談です。

 

 それは大変ですね。まず今までの流れをおさらいしてみたいと思います。Aさんは戸建て住宅を取得するために、今住んでいる自宅マンションを売却しようとされた訳ですね。このように住んでいる住居を売却し、新たな住居を購入する行為を「住宅の買い替え」といいます。

 

 はい、Aさんは自宅マンションをローンで購入していたので、残債や新たなローン借り入れも不安で、先に自宅マンションの売却を行い、ほぼ同時期に、別の業者の仲介で戸建て住宅の購入契約を締結したそうです。しかし、Aさんのマンションを購入予定の買主さんのローンが承認されず、マンションの売却契約そのものが白紙解除となってしまったそうです。

 

 それは困りましたね。不動産の売買では、契約解除時の取り決めや違約金、損害金の額などをあらかじめ契約で定めていますが、「住宅ローン特約による白紙解除」といって、買主が住宅ローンを受けられることを契約の条件にした場合、住宅ローンが成立しないと契約そのものが白紙となります。つまりマンションの売却契約は、この特約により、元々無かったことになってしまったのでしょう。

 

 Aさんは先に売却契約が成立したことで、安心していたのですが、実際には契約解除となってしまったため、購入契約の売買代金の支払いができません。しかもAさんの戸建住宅購入の住宅ローンは承認がおりているそうです。このような場合には、購入契約も白紙にできないのでしょうか?

 

 もし、自宅マンションの売却が契約通りに実行されることが、購入契約の条件になっていたり、自宅マンションの売却契約の解除が、購入契約の解除の条件になっていたりした場合、Aさんの状況がそれらに合致していれば、購入契約は白紙になります。このような契約条項は一般に「買い替え特約」と呼ばれています。このように買い替えについては、それぞれの契約の関連性が重要ですので、トータルで1つの業者に依頼することや、そうでなくてもそれぞれの業者に、もう一方の契約書の内容を十分伝え、契約書の中に売却契約と購入契約の関連性を反映させることが必要です。

 

 さっそく、Aさんに契約書や重要事項説明書などにこのような「買い替え特約」がないかよく見直してもらいます。ただ、このような「買い替え特約」がなかった場合、どのように対処すればよいのでしょう。

 

 購入契約に「買い替え特約」のような自宅マンションの売却のことが関連づけられていないわけですから、対処の選択肢としては、
①購入契約の取引期日までに、新たな購入者に自宅マンションを売却して資金を調達する。
②マンションが売り直せるまでの短期間、戸建て住宅融資予定の金融機関から借り入れを行いマンションのローン残債を返済する「つなぎローン(※1)」の検討や、マンションのローン残債と新しい家の住宅ローンを合わせて、新たに長期の「買い替えローン(※2)」を組むことなどにより、自宅マンションが購入契約の期日までに売却できなくても、購入契約が実行できるようにする。
③違約金や損害金を支払うなど契約書の定めに従って購入契約を解除する。などがあげられます。

 

 それに、購入契約の取引期日もせまっているそうです。

 

 売買代金の支払い準備が出来ないまま期限が到来すると、否応なしに契約違反の状態となってしまいますので、場合によっては仲介業者であるY業者に、取引期日の延期の合意をとりつけてもらう交渉が必要になるでしょう。
 いずれにしろ、時間のない中で重要な判断を迫られることになりますので、仲介のY業者とも連絡を密にとりつつ、大阪宅建をはじめ不動産関連団体が窓口となる相談所や、信頼のおける不動産業者などにセカンドオピニオンを求められるのもいいでしょう。

 

 買い替えの場合でも、売却する不動産の契約が出来ていれば安心かと思っていましたが、そうではないのですね。その他、どのようなことに気をつければよいでしょう。

 

 買い替え時に発生するトラブルの多くは、どちらかの契約が予定通り進まず、結果的に想定外の資金が生じるとか、資金の目処が立たなくなるようなケースです。
 Aさんのように売却がうまくいかなかった時に備え、新たな住居の購入代金が払えない、また、それにより違約金を支払わなければならないというリスクを避けるための措置を、予め講じておくことも大切です。

 まとめてみると、

 
①契約にあたっては、「特約」などで出来る限り売却契約と購入契約相互に関連性を持たせる内容にしてもらう。
 
②売却するマンションの契約がうまくいかない場合や、ローン残債が発生することも考慮し、余裕をもった資金計画をたてる。

 
 いずれにしろ、どちらかの契約に障害が生じた場合の対処を含め、総合的な検討をするようにしてください。

 

 

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