不動産取引に関する知識

「契約前の注意点(売買編)」

2015年6月24日

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 こんにちは、今回は不動産を売却や購入するにあたって、契約を行う前に、どのようなことを心がけ、どのようなことに注意をすれば良いか、というAさんからのご質問です。

 

 不動産を売却や購入する方々は、売買契約書に調印するまでに、色々な不安や疑問をお持ちのことと思います。

 

 そうですね。私たち消費者にとっては、経験する機会が少ない為、大変不安です。それに契約前に確認したいこともたくさんあります。

 

 それでは、皆さんの不安を少しでも取り除く為に、売買契約を行う前に売主と買主はどのような心構えが必要か、またそれぞれどのようなことに注意をしなければならないか、少しお話ししてみましょう。

 

 宜しくお願いします。

 

 普通、一般の売買契約は、売主が物を売ろう、買主が物を買おう、とそれぞれが意思を表示することによって成立します。

 

 そんな簡単な口約束だけで売買契約は成り立つのですか?

 

 そうなのです。ところが不動産は貴重な財産のうえ、契約条件も多岐にわたり、簡単な口約束では後々トラブルになることが多々あります。
 そこで、売主と買主は、契約書や覚書等の書面によって互いの意思を確認し、契約内容の解釈に相違が生じないようにしなければなりません。

 

 なるほど、書面によって売主と買主の意思表示に取り違いが無いようにするのですね。

 

 そうです。売主と買主とは利害が相対立するので、それぞれの立場で、自分に都合よく判断しないとも限りません。
 そこで、不動産取引の専門家である宅建業者が両者の間に入って、契約に当たって重要な事項を確認し、取引に応じた売買契約書や覚書等の書類を作成するのです。

 

 そうですよね。宅建業者は不動産を斡旋するだけでなく、売主・買主に公正・円滑な取引を提供することが大切な仕事ですものね。

 

 その通りです。ですから、売主・買主は分からないことや曖昧なことは、宅建業者すなわち媒介業者に説明を求め、十分内容を理解した上で契約に臨むことが大切です。

 

 売主・買主の契約前の心構えについては分かりましたので、つぎに売主の契約前の注意点を教えてください。

 

 売買契約においては、目的となる不動産が特定されていることが大切です。
 つまり、何を売る目的物とするのかをはっきりとさせることが、売主の義務であるということです。
 その為には、売却する不動産を特定すること(土地の境界の確認、土地建物の面積や種類の確認、土地建物の状況等)、また、価格の相当性について買主が正当に判断できるように、不動産の内容を隠し隔てなく告知することも売主には必要なのです。

 

 なるほど、「事実を言ったら買主は買わないかな・・・」と思っても、売主は買主に伝えることが大切なのですね。

 

 その通りです。そうでないと、売主は説明義務を怠ったことによって、後に買主から損害賠償を請求されたり、契約の解除を求められたりされかねないのです。
 ですから、売主は買主に告知しなければならないことや、引き継がなければならないことを、契約前に媒介業者と打ち合わせしておかなければなりません。

 

 媒介業者だけが、調査や重要な事項を説明する義務を負っているわけではないのですね。

 

 そうです。売主は売買契約の当事者であり、売主しか知り得ないこともあるので、分かっている範囲で説明する義務があるのです。
 また、重要なことは必ず重要事項説明書及び契約書に記載してもらいましょう。口約束だけでは、後で「言った」「言わない」の水かけ論になってしまいます。

 

 では、売主が契約前に注意しなければならないことを、もう少し具体的に教えて頂けませんか?

 

 分かりました。契約前に注意すべき売主の確認事項を簡単にまとめてみましょう。

①物件についての確認(※買主との内覧の徹底) →売主の説明義務の補充

 ○境界○登記簿と現状との整合(登記名義・面積・種類等)○付帯設備 など

②告知義務・継承事項についての確認 →買主への情報開示

 ○境界付近の状況(侵入・越境)○土壌汚染の可能性○地盤(沈下・軟弱)

 ○周辺環境(騒音・臭気・振動・浸水・電波障害・近隣の建築計画・事件事故・嫌悪施設等)

 ○雨漏り○白蟻の害○建物の傾き・腐食○石綿使用の有無○給排水の故障

 ○耐震診断の有無○増改築・修繕の履歴○近隣の申し合わせ○管理費等各種負担金 など

③売る為の書類確認やその他確認事項

 ○権利証(登記識別情報)○地積測量図○土地関連書面○建築確認証○建築図面

 ○管理規約○各種覚書○土地建物評価証明書○ローン残高の確認及び書類 など

 

 有難うございました。では次に、買主の契約前の注意点について教えてもらえませんか?

 

 そうですね。不動産購入にあたっては、買主には資金計画から物件の選択まで、できる限り自分のペースで慎重に進めて欲しいものです。

 

 でも、契約前に諸費用等の資金面や物件の内容を、ゆっくりと時間をかけて確認したいと思っていても、宅建業者に購入を急がされるという話をよく耳にします。

 

 そうですね。物件によっては人気が集中することもあり、早い決断を迫られるケースも少なくはありません。でも、一生に何度もないことですから、慎重に進めなければなりませんね。

 

 分かりました。その為には物件内容も含め、返済計画についても、今一度確認すべきですね。

 

 そうです。住宅ローンについては、申込先の金融機関によって、金利や返済方法、諸費用が変わってきます。
 その為、申込を予定している金融機関の金利、返済方法、諸費用等について契約前に説明を受け、融資条件として、必ず重要事項説明書に明記してもらうことが大切です。
 また、融資が否認された場合の措置についても、自動的に契約が解除になるのか、一定の期日内に解除手続が必要なのかを確認し、必ず契約書に明記してもらうことが大切です。

 

 わかりました。契約前に融資内容についても、重要な事項として必ず確認しておかなければなりませんね。
 次に買主が注意することはどのようなことですか?

 

 資金計画の心配が無くなれば、購入する物件内容や契約内容の確認です。
 通常、物件内容は物件資料や重要事項説明書によって確認し、契約内容は売買契約書や覚書等によって確認します。

 

 それでは、いよいよ契約締結の準備ですね。

 

 そうですね。重要事項説明書については、出来る限り契約日の数日前に説明を受け、重要な事項を事前に確認し、理解したうえで契約に臨むことが大切です。
 また、その際には締結される売買契約書案の提示も受けておくことが大切です。

 

 では、買主は契約前にどのようなことを確認しておけばよいのでしょう。具体的に教えて頂けませんか?

 

 分かりました。契約前に注意すべき買主の確認事項をまとめてみましょう。

①売主が売却する理由の確認

 ○近隣のトラブルの有無○心理的な事情の有無○その他の事情 など

②売買代金以外に掛る費用の確認

 ○登記費用○ローンの保証料○ローン事務手数料○仲介手数料○印紙税○固定資産税○不動産取得税 など

③住宅ローンの条件の確認(※重要事項説明書への明記)

 ○金融機関○借入金額○金利○借入期間○返済方法○斡旋の有無 など

④物件についての確認(※物件内覧の徹底・重要事項説明書の理解)

 ○土地建物の現在の状態○増改築・修繕の履歴○法規制(土地は建物を建てることが前提)○負担金 など

⑤契約条件・内容の確認(※契約書案の内容の理解)

 ○物件の表示○売買金額○各種期限○融資利用の場合の特約条項○契約解除に関する条項○瑕疵担保責任に関する条項 など

 なお、契約調印日までに疑問点を整理し、分からないことは事前にメモして、契約時点で売主さんに直接確かめるといった慎重さも必要かと思います。

 

 ということは売主さんと会って、物件についての詳細や契約内容について、直接確かめることも大切なのですか?

 

 そうです。 売主・買主が直接対面せず、媒介業者が契約書を持ち回ることによって契約調印するといったケースもありますが、本来は売主・買主双方が顔を合わせ売買契約書に調印するといった方法がより確実です。
 また、契約書の捺印は文言を一つ一つ確認のうえ、売主・買主自らの手で調印するようにしましょう。

 

 なるほど、直接確かめることが安心・安全の第一歩ですものね。たいへん参考になりました。

 

 最後になりましたが、売買の媒介を依頼するに当たっては、単に会社の規模の大小ではなく、誠実で高い実務能力を備えた信頼できる媒介業者を選ぶことが大切です(「不動産取引Q&A」2015年2月24日up 参照)。
 もし、売買契約について分からないことや不安に思うようなことがあれば、契約前に大阪宅建協会をはじめ不動産関連団体が窓口となる相談所までご相談ください。

 

 

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