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「宅建業者の事務所のチェックポイント」

2015/07/30 カテゴリー: その他

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下記記事のPDFファイル
(容量:307KB PDF形式)いったんPCへ保存したのち開いて下さい。

 

 

 こんにちは。今回は、引越を考えていてインターネットで物件を探しているAさんからの、実際に宅建業者の事務所を訪問した際にチェックすべきことはありますか?というご質問です。

 

 通常、不動産の取引において、宅建業者に電話あるいはメールで問い合わせをするにしても、その業者はどんなところで営業しているのか、これを確認しておくことも大変重要なことです。では、「宅建業者の事務所のチェックポイント」について考えていきたいと思います。
 たくっちくん。もし君が家を借りたい・貸したい、あるいは売りたい・買いたいと考えた場合、まずどうしますか?

 

 そうですね。まず電話かメールで宅建業者と連絡をとり、目当ての物件を案内してもらうか、もしくは訪問して相談するとかします。

 

 いずれにしても宅建業者と接触し、その営業をしている場所へ行くといったことが発生してきますね。
 たくっちくんは、宅建業者の事務所に行くってなんとなく入りにくかったり、少し怖いようなイメージはないですか?

 

 正直それはちょっとありますね。普段の買い物とは違い、不動産の取引というのは滅多にないことですから・・・。

 

 そうですよね。非日常的ですからね。
 ではたくっちくん、宅建業者の「事務所」とはどういうものなのか一緒に見ていきましょう。

 

 よろしくお願いします。

 

 当たり前のことですが、宅建業者にとって営業する場所である「事務所」というのは大変重要なものです。
 例えば、たくっちくんがコンピューター関係の会社を経営していたとします。そこはたくっちくんの会社の「本店」です。仮に新規事業として別の場所に「支店」を構えて宅建業を営むことになったとします。すると宅建業を営んでいない「本店」も宅建業の事務所としてカウントされてしまうのです。「本店」は「支店」に指令をだす重要な役割を担っているからなのです。そして宅建業法で定める「事務所」としての要件を備えていなくてはならないのです。

 

 では博士、その事務所としての要件というのはどのようなものなのですか?

 

 たくっちくん、いい質問ですね。実は事務所を設置したら必ず備え付けなければならないものがあるのです。それは次の5項目です。これは宅建業法で定められています。
 ①標識の掲示
 ②報酬額の掲示
 ③帳簿の備え付け
 ④従業者名簿の備え付け
 ⑤専任の宅地建物取引士の設置

 

 なんか聞きなれない項目ばかりでよくわかりません。

 

 では、一つずつ見ていくことにしましょう。
 まず①の標識についてですが、正式には「宅地建物取引業者票」といい、一般的には「業者票」と呼ばれています。宅建業者の事務所にはこのような業者票というものを事務所の見えやすいところに掲示する必要があるのです。
宅地建物取引業者票
免許証番号 ○○知事もしくは国土交通大臣(○)第○○○号
免許証有効期間 平成○○年○月○日から平成○○年○月○日まで
商号又は名称 ○○○○○不動産株式会社
代表者氏名 ○○ ○○
この事務所に置かれている
専任の取引士の氏名
○○ ○○
主たる事務所の所在地 ○○市○○町○○丁目○番○号 電話番号 ( )  
たくっちくん、このようなものを宅建業者の事務所で見たことがありますか?

 

 あります。なにか金属製のようなもので事務所に掲げてありました。でも、これってどんな内容なんですか?

 

 まず、免許証番号のところですが、本店と他の支店が全て同一都道府県内に存在しているのであれば知事が許認可権者となります。
 しかし、本店は大阪府で支店は兵庫県にあるというような場合は、二つの都道府県にまたがっていますので、この場合は国土交通大臣が許認可権者となります。つまり、事務所が二つ以上の都道府県にある場合は国土交通大臣の免許ということになります。

 

 そうなんですか。先ほどのコンピューター関係の会社の話の例でいけば、「本店」は大阪市、「支店」は豊中市というような場合は知事免許、「支店」が京都市であれば国土交通大臣免許ということになるのですね。

 

 そのとおりです。したがって、国土交通大臣免許だから規模が大きいとか、知事免許より信用できるとかそのようなことは一切関係ありません。
 次に(○)のカッコに入る数字ですが、宅建業免許は5年ごとに更新があり、その更新回数を表します。例えば、カッコの数字が(1)であればその業者の営業年数は5年未満。(2)であれば5年~10年未満。(3)であれば10年~15年未満ということになります。
 なお、平成8年3月31日以前の免許は、3年ごとに更新が必要でした。

 

 では博士、カッコ内の数字が大きいほど長く営業しているということになるのですね。

 

 さすがたくっちくん、理解が早いですね。数字が大きいほど長く営業しているので一応その業者の信用度のバロメーターにはなりますが、数字が小さいからと言って信用度が低いといったようなことはありません。大事なのはその経営者の姿勢です。

 

 数字の大小に惑わされないようにしないといけませんね。

 

 そうですね。次に免許有効期間ですが、これは前述したとおり5年間です。
 あと商号、代表者氏名、主たる事務所の所在地は特に説明はいらないと思います。

 

 はい。では次は「この事務所に置かれている専任の取引士の氏名」というところですね。

 

 宅建業法では、業務に従事する者5名に1名以上の割合で「専任の宅地建物取引士」を設置しなければならないと定められています。例えばその事務所で従業者が6名いれば、少なくとも2名の「専任の宅地建物取引士」を設置しないといけないのです。

 

 なるほど。その事務所の従業者が多ければ多いほど専任の宅地建物取引士も多く必要になるわけですね。我々一般消費者を守るべく有資格者を適正に設置しているわけですね。

 

 そのとおりです。次に②の報酬額の掲示ですが、これも法律で定められた報酬の計算方法を事務所の見やすいところに掲示しておく必要があります。

 

 今まで注意して見たことがありませんでしたが、今度、宅建業者の事務所に行った時は、業者票や報酬額票を確認してきちんと法令を順守しているかどうかチェックしたいと思います。

 

 そうですね。じっくり確認する余裕も必要かと思います。
 次に③の帳簿とは取引台帳のことで、これは宅建業者自身が関与した取引の内容を記録し、5年間(宅建業者が自ら売主となる新築住宅に係るものは10年間)保管しておく必要のあるものです。
 さらに④の従業者名簿についてですが、事務所ごとに従業者の氏名・住所・生年月日・主たる職務内容などを記載した従業者名簿を備え、10年間保存しなくてはならないとされています。この従業者名簿は取引関係者から請求があれば閲覧に供しなければなりません。

 

 では博士、私が宅建業者と取引をしようとする場合、その従業者名簿というのを閲覧することができるのですか?

 

 もちろんできます。本当にその担当者が従業者なのかどうか確認可能です。
 また、宅建業者は、従業者に従業者証明書を携帯させなければならず、従業者は、取引関係者から請求があれば、その従業者証明書を提示しなければならないとされていますので、担当者が従業者であるかどうかの確認は従業者証明書でもできます。
 次に⑤の専任の宅地建物取引士については前述しましたね。

 

 宅建業者の事務所というのはいろいろな規制があるのですね。

 

 やはり高額な商品を取り扱っているのでこういう規制があるわけです。
 なお、宅建業者を知る方法としては、事務所をチェックするだけではなく、「宅建業者名簿の閲覧制度」というものがあります。これは、国土交通省の各地方整備局や各都道府県の担当課で、その地域内に事務所(本店)のある宅建業者の名簿と免許申請書等の閲覧ができるというものです。これにより、宅建業者の免許証番号・過去の営業実績・資産状況・行政処分歴などを知ることができます。必要に応じてこの閲覧制度を利用してみるのもいいでしょう。

 

 ※過去5年間の宅地建物取引業者に対する行政処分等の情報は国土交通省のウェブサイトでも閲覧可能です。
 国土交通省ネガティブ情報等検索システム

 

 なるほど。安心して不動産取引をするには、宅建業者のことを知ることが大切ですね。博士ありがとうございました。