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「マンション購入時の注意点」

2016/09/30 カテゴリー: 売買

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下記記事のPDFファイル
(容量:259KB PDF形式)いったんPCへ保存したのち開いて下さい。

 

 

 こんにちは。今回はマンションを買うときの注意点を教えてくださいというAさんからの質問だよ。

 

 マンションには大きく分けて二つあるんだよ。一つは新築マンションと、もう一つは中古マンションです。
 新築マンションは主に分譲会社かその関係の販売会社が契約に関わります。中古マンションは一般的に居住の用に供されたことのあるマンション、または新築完成後1年を経過して販売されるマンションのことをいいます。

 

 へぇー、新築でも完成して1年たつと中古マンションになってしまうんだね。

 

 新築マンションと中古マンションの大きな違いは、新築マンションの場合は建物の完成前に購入する場合が多いことです。新築マンションの分譲会社等は建物の着工中に販売センターなどにモデルルームなどを作り、パンフレットや各種図面とモデルルームのイメージで購入希望者を募り販売していきます。

 

 モデルルームを見て回るのは楽しいよね。

 

 そうだね。でも、ここで気を付けないといけないのは、その場の雰囲気に飲み込まれてしまって冷静な判断を失わないようにすることだよ。モデルルームはあくまでもイメージを掴むもので、全てのタイプの間取りを再現しているものではないということなんだ。

 

 そうなんだー。

 

 あくまでも購入しようとする部屋の間取り図を見て、モデルルームと比較しながら想像をして判断しなくてはいけません。間取りだけでなく、採光、眺望、周囲との関係なども充分に考慮しておかなければ完成後に、「こんなはずではなかったのに・・・」ということになってしまうよ。

 

 希望する部屋が何階になるのかも確認しておいたほうがいいんだね。

 

 モデルルームなどはたくさんの方に来場してもらうために最寄り駅の近くなどに設置することが多いですが、具体的に検討を進める前に、実際の建設現場に行き、交通経路や隣接地及び周囲の環境などをあらかじめ確認しておくことが大切だね。

 

 衝動買いはダメだということだね。その点、中古マンションはありのまま見られるからいいよね。

 

 そうだね。中古マンションの場合は建物全体も室内も直接確認できる点ではいいのですが、それ以外の点で注意しなければならないことがあるんだよ。

 

 えーっ、何なの?

 

 マンションは昔から「管理を買え」と言われているのだよ。

 

 管理を買う?管理って管理人さんのこと?

 

 管理人さんだけのことではないんだよ。分譲マンションにはそれぞれにマンションの所有者たちでつくる管理組合というものがあって、その管理組合が自分たち自らで管理を行う自主管理か、管理会社を選定してその管理会社に管理業務を委託するかを決めます。管理会社が同じでも管理組合が委託する内容に応じて、それぞれのマンションごとに管理の状態は異なるんだよ。

 

 そうなんだね。

 

 だから、物件を見に行った時に建物全体の外観とかエントランス、集合ポスト、廊下、階段、エレベーター、駐車場、駐輪場などのメンテナンスが行われていて清潔に保たれているかをチェックすることが大切なんだよ。

 

 だったら、新しい方がきれいだよね。

 

 新しいマンションの場合は表面的な建物自体はまだきれいかもしれませんが、管理組合自体の経験が浅く、運営自体が円滑に行われているかの確認が必要だね。例えば、廊下やエントランスが整理され不用なものが出ていないか、駐輪場の自転車が整頓されているかなども判断材料となるでしょう。また、将来的な計画がどのようになっているかの確認も必要です。多くのマンションの場合「長期修繕計画書」を作成していると思いますので、その確認と管理費や修繕積立金のバランスを見れば分かりやすいでしょう。

 

 むずかしくなってきました。博士、管理費と修繕積立金って何なの?

 

 管理費は、マンションの共用部分の日常の管理や清掃、電気代、水道代、簡易な補修費などに使われ、修繕積立金は、定期的な補修や大規模修繕などに使われるんだよ。これらのバランスが悪いと清掃が行き届かなかったり、補修が出来なかったりするんだよ。

 

 そうなんだーっ。それで、共用部分などをよく見るといいんだね。

 

 簡単な判断材料としては、周辺の同規模程度の物件の管理費や修繕積立金の金額と比較してみるのも一つの方法だね。

 

 できれば、安いところに住みたいなぁ。

 

 そう思うよね。でも、先程お話しした自分たち自らで管理を行う自主管理であれば、管理会社に委託しない分費用的には安く済むのですが、共用部分の清掃とか、ゴミ収集の後片付けなどの日常の管理業務をマンション内の各住戸の方々が当番制で行うなどの労務の提供が必要な場合があるので、事前の確認が必要だね。

 

 管理費が安い分、自分たちでしないといけないんだね。

 

 それから、新築マンションの管理費や修繕積立金にも注意が必要だよ。分譲時に管理会社を関連会社に決めておいて高額の管理料を設定している場合や、分譲時に販売しやすいように修繕積立金を安く設定している場合があり、購入後数年して値上げしなくては将来運営していけない等のケースもあるので安ければ良いというわけではないんだよ。

 

 へぇーっ、そういうことがあるんだね。博士、他に注意することはないの?

 

 そうだねぇ、マンションの住戸の床面積には3種類の面積があるんだよ。

 

 どういうこと?

 

 下の図を見てみよう。
 まず、パンフレットなどには専有面積で書かれています。これは、各住戸を仕切る壁の中心線から測る面積で壁芯面積ともいわれています。
 これに対して、壁の内側から測る面積のことを登記面積(内法面積)といいます。
 そしてあと一つが固定資産税等の評価証明書に記載される課税床面積です。これはマンションの玄関や廊下、階段などの共有部分を専有床面積の割合であん分したものと専有床面積を足した面積です。この3つの中で登記面積が一番狭く、次に専有面積となり、固定資産税等の課税床面積が一番広く表示されることになります。これも基本的なことなので知っておいた方がいいでしょうね。

 

 

 えーっ? 3つとも覚えないといけないの?

 

 そうだねぇ、3つとも覚えておくことはたいへんだから通常はパンフレットなどに記載されている専有面積(壁芯面積)を覚えておくといいよ。ただ、登記が終わって登記事項証明書を受け取った時に面積が狭くなっているとか、固定資産税等の納付書が届いた時に多く払わさせられているのではないかと驚かないように前もって知っておいた方がいいということだよ。
 他にもいろいろと知っておいてもらいたいことや注意してもらいたい点もあるけど、また、次の機会にしようね。
 わからないことや不安なことがあれば、大阪宅建協会をはじめとする不動産関連団体が窓口となる相談所までご相談ください。

 

 宅建博士、ありがとうございました。

 

 

 ライター 長尾 敏春(北摂支部会員)