不動産取引に関する知識

「自然災害と不動産取引について」

2016年10月26日

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こんにちは。今回は家を買いたいけど、地震や台風などの自然災害を心配しているAさんからの相談だよ。

 

 どういうところが心配なのかな?

 

 今年も台風で大きな被害が出たニュースを見たり、5年前の東日本大震災や今年の熊本地震のことがあって気になるみたいなんだ。

 

 確かに、最近は自然災害のニュースをよく見るので家を買う時に気にする人が多いようだね。家は一生の買い物なので、不安に思うことはできるだけ解消しておきたいよね。

 

 どんなところを注意したらいいの?

 

 まず、建物の見分け方から始めましょう。中古住宅を購入するときは何年に建てられたかを確認してください。
 昭和56年に建築基準法が改正され、耐震基準が厳しくなりました。これより古いものを旧耐震基準、新しいものを新耐震基準と呼んでいるんだよ。

 

 じゃあ、「昭和56年築」より新しいものは新耐震基準になるんだね。

 

 厳密にいうと少し違っていて、昭和56年5月31日までに建築確認を受けた建物を旧耐震基準、6月1日以降に建築確認を受けた建物を新耐震基準と言うんだよ。
 建物の規模によって着工から完成するまでの工事期間が異なるので、築年月日によって新耐震基準が適用されているかを判断するのではなく、いつ建築確認を受けたのかが判断基準になるので、「建築確認済証」の交付年月日を確認しましょう。

 

 旧耐震基準の建物は危険なの?

 

 実際に今までの大震災で倒壊した建物が全部旧耐震基準ということではないんだけど、倒壊した比率は新耐震基準より高いようだね。

 

 ということは、旧耐震基準の建物は買わない方がいいの?

 

 旧耐震基準の建物は、耐震補強工事をすることで強度を上げることも可能なんだよ。
 また、耐震工事や耐震診断に補助金を出している自治体もあるから、購入前に調べてみるといいでしょう。
 それ以外に、新しいか古いかだけではなく、きちんと頑丈に建てられたかも出来る限り確認するといいでしょう。

 

 新耐震基準の家だと問題はないの?

 

 絶対大丈夫というわけではありません。施工不良や手抜き工事などによる欠陥住宅や想定している以上の地震が発生する場合も考えられますので、建物が倒壊する確率はゼロではありません。でも新耐震基準の建物であれば、倒壊する確率は低くなります。
 これは地震対策だけではなく、きちんと施工されているかを調べたり、工務店の評判を確認するなども必要かと思うよ。

 

 活断層って確認しておいたほうがいいの?

 

 日本は地震国なので全国各地に活断層があります。もちろん大阪府内にもいくつもの活断層があります。インターネットで検索すれば活断層の位置は分かるので確認しておくのもいいでしょう。

 

 他に注意することはあるの?

 

 不動産を契約する前に、宅地建物取引士から重要事項説明を受けると思います。
 そこには、旧耐震基準の建物について、耐震診断が行われたかどうか、また、「津波災害警戒区域」「土砂災害警戒区域」などの区域内外にあるのかの説明が義務付けられているので、把握しておきましょう。

 

 大阪で指定されている場所はあるの?

 

 平成28年9月現在で大阪府内で津波災害警戒区域、津波災害特別警戒区域は指定されていません。また、土砂災害警戒区域に指定されている箇所は8,345か所、土砂災害特別警戒区域は7,758か所あります。 
(大阪府のウェブサイトより)

 

 そんなにあるの!?

 

 各自治体から防災マップやハザードマップが発表されています。区役所や市役所に行けばもらえますし、多くの自治体では、ウェブサイトで公開しています。まず、自分が家を買おうとしているエリアがどうなっているのか自分で調べることもできるよ。

 

防災マップやハザードマップってどんなことが載ってるの?

 

 防災マップは、災害時の避難場所や避難経路などの情報を地図化したものなんだよ。自宅の最寄りの避難場所はどこか、どういうルートで避難するといいのかなどもあらかじめ確認しておくといいね。浸水や津波の時、避難所に向かうのがいいのか、近くのマンションやビルなどの高層階に避難する方がいいのかなども確認した方がいいでしょう。浸水時に避難場所へのルートが浸水していて立ち往生したということもあったようです。
 ハザードマップは、自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したものなんだよ。
 自治体によるけれど、大雨などにより河川が氾濫した時に浸水が想定されるエリアや、土砂災害など、その街の自然災害に関する情報が載っているので必ず目を通しておくといいよ。

 

 家を買ってから注意することはあるの?

 

 まず、火災保険と地震保険に加入しているか、加入している場合はその内容を確認しておきましょう。

 

 火災保険はみんな入っているんじゃないの?

 

 火災保険は住宅ローンを受ける時の条件になっている事が多いみたいですが、ローンを払い終えたら保険も更新せずにそのままになっている家もあるようです。
 地震保険は最近は加入する人が増えましたが、任意なのでまだまだ入っていない人も多くいるみたいだね。

 

 入っている方が安心だよね?

 

 そうだね。でも、契約内容をきちんと確認することが大事だよ。例えば水害には保険が適用されないなど、保険のプランによって補償内容は全然違います。どこまでが補償されるのかをきちんと確認して、もし補償内容が十分でないと思ったら保険に入り直すなどきちんと対応しましょう。災害が起こってからでは遅いので早めにすることをお勧めします。

 

 他に準備しておいた方がいいことはあるの?

 

 緊急時の安否確認リストを作成することをお勧めします。震災の時に連絡したくても連絡先が分からず安否確認が出来なかったという例があったようです。特に一人暮らしの家族や親せきの連絡先はもちろん、災害時の避難場所や警察署、消防署、電気、水道、ガスなどの緊急連絡先をまとめたものを準備しておくと安心だね。

 

 パニックにならないように準備しておきます。

 

 この他に、所有者が亡くなられた不動産の相続登記も早めにきちんとされることをお勧めします。東日本大震災の時、実際の所有者が分からなくて対応が出来ず、復興が遅れるというケースがあったようだよ。

 

 いつかじゃなくて、今準備をすることが大事なんだね。

 

 日本は地震など自然災害が多く、日本に住んでいる限り避けることは出来ません。そのため、もし災害が起きても冷静に対応できるようあらかじめ準備しておくことが本当に大切です。災害が起こってから後悔してもどうしようもありません。一人一人が今できることをひとつずつやっていくことが災害の被害を少しでも減らすことにつながります。

 

 なるほど!僕も防災マップ、ハザードマップをもらってもしもの時に備えたいと思います。宅建博士、ありがとうございました。

 

 

 ライター 栗本 唯(中央支部会員)

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