不動産取引に関する知識

「インスペクションの必要性について」

2017年5月29日

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 こんにちは。最近、インスペクションという言葉をよく聞くんだけど、どういうことか教えてくださいというAさんからの質問だよ。

 

 インスペクションというのは調査、検査という意味で、住宅の場合はホームインスペクションといって、住宅診断、建物検査ともいわれています。
 住宅診断の専門家であるホームインスペクター(住宅診断士)が、住宅の劣化状況、欠陥の有無、修繕箇所やその時期、費用などをプロの目で診断し、アドバイスを行うということなんだ。住宅の購入前や、売却の前にホームインスペクションを行うことで、建物の状態を把握し、安心して取引を行うことができるんだよ。今住んでいる住宅を調べることもあるし、仲介業者が物件の状況を一般消費者に明らかにするために利用するケースも増えています。診断の方法は、目視で屋根、外壁、室内、小屋裏、床下などの劣化状態を確認して判断するのが基本だよ。その上で、範囲は限定されているものの瑕疵保証保険に加入するという選択肢もあります。

 

 でも博士、最近になってどうしてインスペクションを耳にすることが増えたの?

 

 それはね、宅建業法の一部改正があって、平成30年4月1日から建物状況調査(インスペクション)に関する説明、書面への記載が必要になるんだよ。具体的には、
 ・媒介契約において建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事
  項を記載した書面の交付
 ・買主等に対して建物状況調査の結果の概要等を重要事項として説明
 ・売買等の契約の成立時に建物の状況について当事者の双方が確認
  した事項を記載した書面の交付
 ということが決定したんだよ。

 

 なるほど。インスペクションって他の国でもしてるの?

 

 アメリカでは地域差はあるけれど、取引全体の70~90%の割合でホームインスペクションが行われていて、既に制度として浸透しているようなんだ。

 

 日本はどうなの?

 

 日本にはスクラップ&ビルド、つまり、住宅を壊しては建てるという新築を重視した意識がまだまだ存在しているね。
 でも、これからの日本の住環境は、良質な住宅を作り、手入れして次の世代に引き継ぐといった循環型の社会へと向かっています。そのためにも住宅を所有している方や購入、売却を検討されている方は、ぜひインスペクションを検討してほしいね。

 

 博士、さっき、インスペクションのことを住宅診断って言ってたけど、お医者さんに行って健康診断を受けるような感じなの?

 

 そうだね。人間も定期的に健康診断を受けるだろ?身体の状態を知ることによって、気を付けることや治療が必要なのかなど、健康状態がわかるよね。同じように大切な住まいについても、購入前やその後、定期的にインスペクションをすることによって購入してからいつ頃どんなリフォームが必要か、どれぐらいの費用がかかるかを把握することが出来るよね。

 

 おうちを買った後もインスペクションは必要なの?

 

 もちろんだよ。せっかく購入したんだから、より良い状態で長持ちさせたいよね?だから、何らかのメンテナンスやリフォームは必要になるんだよ。特に、日常生活の中においても不動産というものは、高価な買い物だから購入した後も不動産の状態をよく知っておくことが必要なんだ。新築物件、中古物件、居住用、事業用あらゆる不動産にとって、建物のこれからの耐久性や安全性は、設備面も含めて重要なことなんだよ。だから第三者の立場で客観的にインスペクションをしてもらうことで、住宅の状態が理解しやすくなるんだ。
 また、すぐに修繕するべきなのか?経過を見るべきなのか?など、改修計画やリフォーム計画なども立てやすくなるよ。

 

 博士、実際は具体的に建物のどんなところを見ているのかな?

 

 これを見てごらん、戸建住宅の場合の参考になるよ。

 戸建住宅において共通的に検査対象とすることが考えられる項目

 

 なるほど。目視でひとつずつ検査していくんだね。
 ところで博士、インスペクションをするメリットって何?

 

 中古住宅を売却する際は建物の現在の状態や売主からの情報をもとに売却価格が評価されます。大切に住んできた売主はインスペクションによって第三者が住宅の状態を中立的な立場で判断し、住宅の価値を明らかにすることができます。築年数だけで判断される評価だけでなく、これからは住宅の品質、性能についても適切に反映されるんだよ。築年数の経過している中古住宅については、経過年数による劣化が見受けられます。しかし、経過年数に伴う劣化は瑕疵ではありません。インスペクションをすることで住宅の状態を理解し、安心して購入することができるので、利用価値は高いと思います。また、購入後に不具合が発見されるといったトラブルを未然に防ぐことができます。さらに、後日送付されるインスペクションの報告書は、住宅の資産価値を維持するための履歴書として残すことができるんだよ。

 

 インスペクションって中古住宅だけしてもらえるの?

 

 新築物件の購入前や建築途中にインスペクションをすることもでき、不具合箇所などがある場合には早期に発見できて、事前に対応することができることもあるよ。

 

 なるほど。宅建博士、ありがとうございました。

 

 

 ライター 西本 淳一(北摂支部会員)

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