不動産取引に関する知識

「道路について」

2017年6月23日

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 こんにちは。今回は不動産を購入するAさんからの相談で道路についての質問だよ。

 

 少し範囲の広いテーマだね。

 

 道路って、人や車が通る道のことでしょ?

 

 簡単に言えばそうなんだけど、宅地建物を取引するうえで道路とは、単に交通上の道のことを言うんじゃないんだ。

 

そうなの?

 

 不動産購入において、道路は建物を建てる際に重要な要素で、単なる道とは意味が異なるんだ。

 

 つまり、道と道路とは区別しなければならないんだね。

 

 そう、特に※都市計画区域や準都市計画区域内で建物を建築する場合「建物は4m以上の道路幅員(道はば)に2m以上接していなければ、建築することができない。」と法律に定められているんだ。
(※都市計画区域や準都市計画区域内とは、市街地を既に形成しているかその見込みがあり、都市としての計画的な発展を目標としている区域のこと)

 

 へえー、そんな法律があるんだ。

 

 この法律は「建築基準法」と呼ばれ、国民の「生命・健康・財産の保護」と「公共の福祉」を念頭に、我々が建物を建てるうえで最低限守らなければならない基準を定めているんだ。

 

 なるほど、その為に「建築基準法」で定められた道路に接していなければ建物は建てられないんだね。では、どんな道路が「建築基準法」でいう※「道路」と呼ばれるの?

 

 (※以下「建築基準法」上の道路を「道路」と表記し、それ以外の道路を道路と表記する)

 

 参考だけど、次の表を見てごらん。建築基準法に定める「道路」には、これだけの種類があるんだよ。

 

 

 ※所有区分において、公道でも民間が所有する場合もあるので注意が必要。

 (①市町村道や②開発道路の中で所有が民間の道路(民有地認定道路)がある。)

 

 色んな種類があって複雑だね。

 

 表の①~⑤を見てわかるように通常は、道路幅員が4m以上で「道路」の扱いを受けるんだ。

 

 へえー。

 

 ところが、⑥のように法律が施行される以前から建物が建ち並ぶ古い市街地では、現状の道路幅員が4m未満でも将来4mに拡幅することを条件に「道路」としてみなす場合もあるんだ。

 

 やっぱり「道路」の幅は4m必要なんだ。

 

 しかし、⑦のように道路の状況によっては、将来にわたって道路幅員が4m確保できない場合でも役所の判断で「道路」と認められることもあるんだ。

 

 なぜ、4mが基準になるの?

 

 通常、建物が密集している市街地では、消防車や緊急車両などが通行できるのに4m以上の道路幅員が最低必要なんだ。

 

 そういうことなんだね。

 

 また、道路は防災面以外にも、人や車が自由に通行できることはもちろん、ライフライン(上下水道等の生活供給管)を整備するうえでも必要なんだ。

 

 そうだね。道路には電柱が立っているし、水道管やガス管も埋まっているものね。

 

 そう、道路は不動産と共に、人が生活する上での大切な基盤なんだ。

 

 「道路」は建物を建てる為だけでなく、色んな役割があるんだね。

 

 では次に、その「道路」について少し見ていこう。

 

 博士よろしくお願いします。

 

 先ず、建物を建てる為には、建物の敷地が先ほどの表にあった「道路」に面することが必要で、その敷地が「道路」に2m以上接することが条件なんだ。これを接道義務というんだ。

 

 博士がさっき言っていた「建築基準法」で決まっているんだよね。

 

 次に大切な事は、その敷地に接する「道路」が、公道か私道かを確認することなんだ。 

 

 公道か私道?

 

 公道とは国や地方公共団体が所有または管理する「道路」であり、私道とは民間が所有している土地を一般交通の用に供している「道路」のことを言うんだ。

 

 そういえば、チラシで前の道路が私道で「私道負担が約○○㎡有り」と広告で見たことがあるよ。

 

 それは前路の所有者が民間で、自分の土地を〇〇㎡道路に提供しているという意味なんだ。

 

 道路に提供しているってどういうこと?

 

 通常、「道路」は4mの幅員が必要といったよね。その為、敷地に面する道路が4mに満たない場合は、道路の中心線より2m後退して自分の土地をよぶんに「道路」に提供(※セットバック)した上で、建物を建築する必要があるんだ。

 

 ということは、自分の土地が少なくなっちゃうの?

 

 そうなんだ。建物を建てるための敷地、すなわち土地の有効面積が減るんだ。

 

 なるほど、それが私道負担○○㎡の意味なんだね。

 

 

 

 また、私道の場合は、ライフラインの引込みや増設、場合によっては車の通行にも私道の所有者の承諾が必要なんだ。
 私道の場合は色々と注意する必要があるんだね。

 

 そうだね。そのほか私道については、道路の舗装の状況も確認した上で、購入後の維持や管理方法についても知っておく必要があるね。

 

 じゃあ、公道の場合はどうなの?

 

 公道でも「道路」の状況によっては、私道負担と同じように「道路」に土地を提供している場合もあるんだよ。でもその場合は私道負担ではなく道路後退と呼ぶんだ。

 

 公道でも「道路」に自分の土地を提供している場合があるんだ。

 

 また、公道と私道の呼び方だけど、所有者が民間でも公共用に利用されている「道路」を総称して公道と呼ぶ場合もあるので、呼び方だけで所有者を判断してはいけないよ。

 

 へえー民間の所有でも公道と呼ぶこともあるんだ。

 そう、そのために道路は、市役所等(地方公共団体)で「道路」であることを先ず確認し、管理者が誰であるかを確かめた上で、※法務局で誰が所有しているかを調べることも大切なんだ。
 (※法務局とは、不動産登記、商業・法人登記、成年後見登記、電子公告、戸籍、国籍に関する業務、供託などの民事行政業務と、訴訟、人権擁護事務を扱ってる国の機関)
 それと、公道と呼ばれても「道路」の通行やライフラインの設置に制約がないかも確認する必要がある。

 

 契約前にしっかり確認しておくことが大事だね。

 

 そのとおり。不動産を買ってから思うように建物を建てることができなかったり、「道路」を利用する上でご近所から苦情がでたりすれば困るからね。

 

 博士ありがとう。道路が不動産にとってすごく重要なことが分かりました。

 

 もし、分からない点や不安に思うようなことがあれば、契約する前に大阪宅建協会をはじめ不動産関連団体が窓口となる相談所まで相談して下さいね。

 

 ライター 西井 幸男(なにわ東支部会員)

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