不動産取引に関する知識

「都市計画法の基本事項について」

2018年2月 2日

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 こんにちは。今回は鉄骨造4階建ての自宅を建築するため土地購入を考えているAさんからの相談だよ。Aさんの話によると気に入った土地が見つかったんだけど「ここは第1種低層住居専用地域なので4階建てのような高い建築物は建てられません」と宅建業者さんに言われたそうなんだ。どうして気に入った土地に自分の好きな建物を建てることができないの?博士教えてよ。

 そうだね。誰しも自分の土地であれば自分好みの建物を建てたいと思うし、自由に使いたいと思うよね。これはごく自然な考えだよね。でも、たくっちくん、個人が勝手に好きな建物を自由に建てたり、思いつきで区画を変えたりするとどうなると思う?

 う~ん。2階建てのお家が立ち並んでいるところに高層ビルがあったり、広い道路が急に狭くなったりすると、とても住みにくい不便な街ができてしまうかもしれないね。

 そのとおりだよね。いくら自分の土地だからと言って自由に土地を利用できるとしたら、とんでもないバラバラの街が出来上がってしまうよね。もし火事や地震といった災害が発生した場合、消防車や救急車といった緊急車両が通れる道を造らないと人の命にもかかわることになってしまうよね。そこでこのような事態を予防するために「都市計画法」という法律があるんだよ。

 そうなんだ。やっぱり決まりがあるんだね。

 そう、この都市計画法は計画的な街づくりを想定した法律なんだ。まず都市計画法の全体をイメージしてもらうために街づくりの大まかな3つの段階をみていこう。 まず第1にどこの場所で計画的に街づくりをしていくのかという場所を指定するんだ。そしてこの指定した場所を都市計画区域というんだよ。 そして第2にその都市計画区域で積極的に開発し街づくりをしていく場所を市街化区域といい、抑える場所を市街化調整区域というんだ。自然を残していくというのも街づくりだからね。また、市街化区域のなかで商業を行う地域、工業を行う地域、住宅街にする区域というように分けていくんだ。これを用途地域の指定というんだよ。 第3に計画だけではなく実際に具体的な街づくりを実現させるために、道路・公園・上下水道・学校・病院等といった施設を設置しないといけないよね。これらの施設を都市施設というんだ。また個人が、その地域や区域の計画に反する開発や建築を行わないようにこれらを制限する必要もあるんだ。これを都市計画制限というんだよ。

 そうなんだ。快適な街をつくっていくのはいろいろと決まりごとがあり大変だね。Aさんへの回答の糸口もここらへんにあるのかな?博士、これからどうなっていくの?もっと詳しく教えてよ。

 いいとも。まずこの日本の国土全体は①市外化区域と市街化調整区域に区分した区域区分のある都市計画区域②その区域区分のない都市計画区域③準都市計画区域④それ以外の区域というように大きく4つの区域に分けることができるんだ。わかりやすくシンプルに説明すると①と②はいわゆる都市、街だよね。人がたくさん住んでいるところと考えてくれたらいいよ。③の準都市計画区域というのは主に高速道路等のインターチェンジ周辺。インターチェンジというところは非常に車の利便がいいので、パチンコ店などがどんどん立ち並んでしまうんだ。だから何らかの規制をかけていかないといけないのでこういった準都市計画区域に指定されることが多いんだ。④は①②③以外の区域。この都市計画区域は都道府県が指定し、2以上の都府県の区域にわたって都市計画区域を指定する場合には、国土交通大臣が指定するんだ。

 ということは多くの人々が普通日常生活を送るのは①②の区域だということかな?しかもこの大阪近郊の都市だとすると①の区域がほとんどかな?どうなの博士。

 さすがたくっちくん。鋭いね。私たちが大きく関係する区域は、そう①の市街化区域、市街化調整区といった区域区分のある都市計画区域だよね。 しかも市街化区域。ここが主に関係する区域だよ。

 ではその市街化区域についてもっとお話ししてよ。

 先ほども少し説明したが市街化区域を定めたならば用途地域というものを決める必要があるんだ。これは必ず決めないといけないことになっている。たとえば駅前には銀行、郵便局、買い物施設といった商業関係の施設。駅前に田んぼや畑があっても誰もうれしくないよね。また海側には工業関係の施設。少し山側には住宅街。といったように土地の使い道をきめていくんだ。この用途地域というものには12種類の地域があるんだ。この12種類の用途地域について少しみていこう。

 いよいよ核心に入ってきたという感じだね。博士もっと詳しく教えてよ。

 12種類のうち住居系が7地域。商業系が2地域。工業系が3地域となっているんだ。住居系は第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居地域、第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域。商業系は近隣商業地域、商業地域。工業系は準工業地域、工業地域、工業専用地域。というように細分化されているんだ。そしてそれぞれの地域に主な目的というものがあって、例えば相談者Aさんが購入を考えている土地の用途地域は第1種低層住居専用地域ということだよね。ここは「低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域」というように目的が示されているんだ。商業地域なら「主として商業等の業務の利便を増進するため定める地域」工業専用地域なら「工業の利便を増進するため定める地域」という目的が示されているよ。さらにこういった地域の特色をだしていくために10種類の補助的地域地区というものもあって、特別用途地区、特例容積率適用地区、高度地区、高度利用地区、高層住居誘導地区、特定街区、防火地域・準防火地域、景観地区、風致地区、特定用途制限地域。例えば防火地域・準防火地域であれば「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」というように定められています。個々の地域の内容についてはまた機会があれば詳しく説明します。わかりやすく言うと用途地域をメインメニューとすれば補助的地域地区はサブメニューといった感じかな。例えば商業地域は中高層の建築物が隙間なく建て込んでいるので、補助的地域地区として防火地域・準防火地域が指定されているといったケースが多いね。このように用途地域と補助的地域地区とを組合わせることでよりよい街づくりを推進していくんだ。

 今まで聞いたことのないようないろんな地域・地区があるんだね。

 そうだね。街が便利にそして大きくなり人口が増えるといろんな規制が必要になってくるということだね。そして先ほどから何度もでてきているこの用途地域というものなんだけど、土地の使い道を決めていくわけだから当然そこに建てる建物の種類も制限されていくよね。例えば工業専用地域は「工業の利便を増進するため定める地域」とされているわけだから一般の住宅は建築できないよね。もし、建てたとしても周囲は工場だらけだからスモッグまみれになってしまうよね。このように用途地域の目的に沿って建築できるもの建築できないものが決められているんだ。これは建築基準法の用途規制といわれるものなんだ。せっかく土地の使い道を決めたのにそれがまったく生かされない建物が建築できるとすれば意味のないことになってしまうからね。

 まったくそのとおりだね。

 それでは今回のAさんの相談だけど、Aさんが購入を考えている土地は都市計画区域内の市街化区域で、用途地域は第1種低層住居専用地域ということだよね。第1種低層住居専用地域の目的は「低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するため定める地域」とされていて、Aさんの希望する鉄骨造の4階建ては低層住宅とはいえないから建築することはできないんだ。

 なるほど。博士、よくわかりました。気に入った土地を見つけたとしても、そこに自分が考えている建物が建築できるかどうか役所で用途地域を確認すると同時に建築基準法の用途規制も確認しておく必要があるんだね。

 そのとおり。大阪府宅地建物取引業協会の会員は定期的に業務研修を受けているので、安心して相談できるけど、不動産は大きな買い物だから、Aさんも一度ご自身で役所に出向いて調べるほうがいいよ。

 博士、今日はありがとうございました。

 

 

 ライター 長村 良二(北摂支部会員)

 

 

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