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未成年者の賃貸借契約における親権者の同意

2025/10/01 カテゴリー: 入居の申し込み 賃貸借契約

 ライター:研修インストラクター 和田 俊信(新大阪支部)

 知り合いの息子さんが春に高校を卒業して大学に入学することになりました。彼は3月31日生まれで、賃貸借契約締結時は17歳の未成年者です。契約の際に不動産屋さんから親の同意書が必要と言われましたが、本当に必要でしょうか?

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 民法上、18歳未満の未成年者は制限行為能力者に該当します。制限行為能力者は、一定の法律行為(この場合賃貸借契約)につき、単に制限行為能力者であることを理由として、法律行為を取り消すことができ、保護されます。ただし、取り消すことができるにとどまり、当然に無効になるわけではありません。例外として、制限行為能力者が行為能力者であることを信じさせるため詐術(うそ)を用いたときは、取り消すことができません。また処分を許された財産(おこづかい)を使うことや、法定代理人から許された営業の取引(例えば親から営業許可をもらってお店を開く場合の店舗事務所の賃貸借契約)も取り消すことができません。未成年者は制限行為能力者ですので、未成年者が賃貸借契約を行うには、原則としてその法定代理人の同意が必要です。尚、未成年者の法定代理人は、通常は親(親権者)ですが、親権者がいない場合は、未成年後見人が選任されます。

 一方、未成年者と賃貸借契約を行う貸主(大家さん)や、その契約をあっせん仲介する不動産屋さんの立場も考えてみましょう。大家さんや不動産屋さんも一旦賃貸借契約したあと、未成年者で親権者の同意が無い事を理由に、賃貸借契約を取り消されると困ります。未成年者との賃貸借契約であったとしても、親権者同意書があれば、未成年者であることを理由に賃貸借契約を取り消されるリスクが無くなるので、大家さんや不動産屋さんも安心して賃貸借契約を行う事ができます。これらの理由により、民法上は親権者同意書がなくても賃貸借契約は有効に成立しますが、後から取り消されるリスクをなくすために、実務上では親権者同意書も要求される事がとても多いです。

 実際に賃貸借契約書とは別に親権者同意書を作成して、親権者の署名押印を行う場合と、賃貸借契約書の中に親権者が同意した旨の署名押印欄を作成する場合がありますが、効力はどちらも同じで、親権者の同意とみなされます。ちなみに賃貸借契約書の連帯保証人欄に親権者が署名押印しても、これは親権者の同意にはなりません。これはあくまで貸主と連帯保証人との間で保証契約が成立した証であり、親権者の同意の証ではないからです。

さて賃貸借契約時、未成年者だったとしても、時間が経てば、やがて成年(18歳)になります。賃貸借契約の途中で成年になった場合の扱いですが、これは賃貸借契約時の状態で判断します。この場合、賃貸借契約時17歳ですので、その後成年になっても、親権者の同意が無い場合、取り消すことができます。ただし、成年になった場合、賃貸借契約を追認する(有効と認める)ことができるようになるところ、貸主から賃貸借契約を取り消すのか追認するのかを一定期間内に選ぶように催告され、期間内に取り消す旨の意思表示をしなかった場合、取り消すことができなくなるので注意が必要です。

 賃貸借契約時に家財保険契約や賃貸保証契約も一緒に行う事もありますが、これらの契約も同様に、未成年者が単独で行った場合は、取り消すことができます。そもそも未成年者が単独で行った契約は原則取り消すことができるのですから、賃貸借契約とは関係のない契約でも、(例えば、美容エステティックサロンや脱毛サロン、英会話教室でのクレジット契約や、バイクの購入契約…等)取り消すことができます。

 以上のように、未成年者は制限行為能力者制度によって保護されますが、だからと言って安易に契約を行うのではなく、契約時には、よく考えてトラブルに遭わないようにすることが大事です。

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