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建物賃貸借における入居申込の撤回と違約金等のペナルティについて

2026/04/01 カテゴリー: 入居の申し込み 賃貸借契約

 ライター:研修インストラクター 和田 俊信(新大阪支部)

 先日、不動産業者から紹介された居住用のマンションの一室を借りようと思って、入居申込書を提出しました。その後、東京への急な転勤が決まったので申し込みを撤回したいのですが、違約金等のペナルティは発生しますか?

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 不動産は一つとして同じものが無いので、賃貸物件に限らず売買物件でも、基本的に早い者勝ちです。
 だから希望に合った物件が見つかったら、できるだけ早く申し込みたいと考えるのは当然だと思います。
 しかし、入居申込書を提出した後に、「東京への転勤の人事異動が急に出た」とか、「急に親の介護をしなければならなくなり、入居できなくなった」など申し込み時と事情が変わってしまうこともありえます。

 その場合、入居申込を撤回しないといけないことになりますが、賃貸借契約締結前であれば違約金等のペナルティは原則発生しません。
 ただし、民法上、賃貸借契約は当事者の合意のみによって成立し、契約書の作成は契約成立の要件ではないとされているため、賃貸借契約書に記名・押印がない場合でも、契約が成立していると判断されることもありますので、注意が必要です。(※1)

 入居申込時に物件を押さえる為に不動産業者に申込金や預り金等の一時金を支払う事もありますが、契約が成立していない場合、これらも返金されます。(返金を拒否することは、宅建業法で禁止されています。)
 また、原則違約金等のペナルティは発生しませんが、契約締結の直前になって何ら正当な理由なく申し込みを撤回したような場合は、民法上は信義誠実の原則(信義則)に違反する場合があります。(※2)
 これは、契約前でも当事者は信義誠実を尽くす事を要求されるもので、例え急な転勤や親の介護等の理由であったとしても、大家さんや不動産業者に迷惑をかけることになります。
 もし、大家さんや不動産業者に損害が発生した場合は、その実損額を賠償する必要がある場合もありますので、単に物件を仮押さえしたい位の軽い気持ちで、入居申し込みを入れるべきではありません。

 賃貸借契約が成立したら、仮に入居前であったとしても、契約書通りの解約手続きとなります。要は普通に入居者が退去するときと同じです。
 一般的には、解約通知は退去の1カ月前が多いので、賃貸借契約直後で入居前の解約であったとしても、支払い済みの初期費用(礼金、日割り家賃や前家賃1ヶ月分、賃貸保証料、鍵交換代、仲介手数料等)は返還されないと思っておいた方が良いです。
 ただし、敷金は部屋を使用していないのなら、原状回復や修繕をする必要はないので返還されます。
 また、火災保険料の未経過分は保険会社に連絡して解約する事で一部返金されます。

 一度申し込んだ物件の申し込みを撤回することは、トラブルになる可能性があり、労力や費用面で誰も得しないですので、できるだけ避けるようにしたいものです。


(※1)契約の成立に関する判断は、個別の状況を詳細に把握し、総合的に判断するべき事柄ですので、法律の専門家(弁護士、司法書士等)へご相談ください。
(※2)信義誠実の原則(信義則)とは、お互いに相手方の信頼を裏切らないように、誠意をもって行動しなければならないという民法の基本原則の1つです。

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