ライター:研修インストラクター 長尾 敏春(北摂支部)
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中古の売り物件を見に行ったのですが、宅建業者の人から「事故物件」で「心理的瑕疵」がある物件だと言われました。「心理的瑕疵」とは何ですか?
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心理的瑕疵とは、雨漏りや主要木部の腐食など物件の物理的な瑕疵(欠陥)ではなく、買主や借主が感じる心理的な抵抗感や嫌悪感などのことで、過去に物件内で起きた事故や事件(自殺・他殺・火災)があったなど挙げられます。 ただし、人の死亡と言ってもご自宅で病死や老衰で亡くなった場合、心理的瑕疵にはあたらないことが多いのですが、一人住まいの方が孤独死し、発見までに日数が掛かってしまい、異臭や害虫の発生などで近隣に迷惑が掛かり周知されていた場合などは心理的瑕疵となってしまう場合があります。
売主は、物件に関する心理的瑕疵がある場合には買主に告知する義務があり、告知しなかった場合には契約不適合責任を問われ、減額請求や契約解除、あるいは損害賠償の請求を受ける場合があります。 また、この取引に関係している宅建業者も知っていたのに告げなかった場合には宅地建物取引業法に違反する可能性があります。
宅建業者が媒介を行う場合、国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」では、対象不動産で発生した自然死・日常生活の中での不慮の死(転倒事故、誤嚥など)に関しては告げなくてもよいとしていますが、告知を要する人の死については事案発覚からの明確な期間は示されていません。 かなり曖昧な基準だと思うのですが、これはその物件に起きた事故や事件の内容や重大さによって事案ごとに異なるので一概には決められないからです。 また、心理的瑕疵には事故や事件以外にも物件の近隣に立地する嫌悪施設なども含まれます。騒音、振動や異臭を発する工業施設や火葬場、墓地、刑務所、さらには反社会的組織の事務所や住居などの存在も含まれます。
心理的瑕疵のある物件の取引で大切なのは、買主が物件の引渡しを受けて生活や使用を開始した後で、近隣周辺の人達から心理的瑕疵の話を聞いて動揺することのないように事前に説明をしておき、その上で買主の納得できる価格、条件で契約しておくことです。 そして、その内容を契約書に記載しておくと後日トラブルとなった場合にも事前に説明をしていた証拠となるのでそのようにしてください。
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