ライター:研修インストラクター 長尾 敏春(北摂支部)
自宅の売却を頼んだら、媒介契約書とは別に「物件状況確認書」と「付帯設備表」にも記載するよう言われたんですが、書かなければならないのでしょうか?
また、書くとすれば、自宅を早く購入してもらうため、隠しておきたいことがあるのですが、正直に書かなければならないのですか?
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「物件状況確認書」は、既存住宅などの物件の売買において売主から買主に物件の状況をあらかじめ伝えておくために作成する書面で、「付帯設備表」はその物件に付帯する設備などの状況を記載しておく表のことです。
まず、「物件状況確認書」では、建物の雨漏り、白蟻被害、建物の不具合(傾き・腐食など)、給排水施設の故障・漏水などについて、これまでに発見しているかいないかを記し、発見していればその状況や対応について記載します。ここで発見していたり修理しているのを隠したりして、物件を引き渡した後でその事実が判明した場合、契約不適合責任に問われたり不法行為ととられ、契約解除や損害賠償を請求されたりすることもあるので注意が必要です。もし不具合がある場合には、その不具合を修補して引き渡すのか、そのままの状態で引き渡すのかをしっかりと記載しておくことです。
次に、増改築・修繕・リフォーム・用途変更などの履歴や、火災(ボヤ等)の被害があったかどうかも記載します。また、石綿(アスベスト)使用調査、建物状況調査、耐震診断調査、住宅性能評価などの調査の有無やその結果と資料、さらに建物新築時の資料などがあるのかを記載し、その資料を提示できるよう準備をしておきましょう。
さらに敷地に関しては、境界および越境について問題はないか、擁壁がある場合にはその所有者、形状、亀裂の有無や紛争などはないか、地盤沈下や土壌汚染、地中埋設物はないかなどについても状況を確認のうえ記載してください。
そして周辺環境について、騒音・振動・臭気や電波障害の有無、浸水などの被害がなかったか、また、近隣の建築計画はないか、売買物件に影響を及ぼすと思われる周辺施設などがあるかも記載します。
騒音・振動・臭気・通風・日照・電波障害などについては、売主が住み慣れていて生活上気にならなくなっていることでも、第三者にとっては重要な購入に関する要素となる場合があるので充分に注意して記載してください。
また、売買物件に影響を及ぼすと思われる過去に起きた事件・事故に関しても、知っていることは物件状況確認書に記載するか、別紙で説明しておく方が良いでしょう。知っていたのに告げておらず、取引の途中や引き渡し後に買主が近隣の住民から聞くなどして事実を知った場合、契約の解除や損害賠償の請求を受ける可能性もあります。
最後に、近隣との申し合わせ事項や売主から買主に引き継ぐ事項などがあれば、それらもあらかじめ記載しておく方が良いでしょう。たとえば、ゴミ出しの方法や収集場所なども記載しておくと良いでしょう。
つづいて「付帯設備表」についてですが、こちらも買主にどのような設備が付帯されているのか、またどのような状態で引渡すのかを知っておいてもらうために作成するものです。付帯設備表のイメージ図を添付しますので、以後はこのイメージ図をもとに説明します。

「付帯設備表」は、あらかじめ主要設備として給湯関係、水回り関係、空調関係やその他設備の項目などに分け、その中の各項目ごとに設備が記載されていますので、該当する設備が「有」か「無」かの □ に ✔を入れてください。 ここで気を付けなくてはいけないのは、いま現在あっても取り外して引き渡すものには「無」に✔を入れておいてください。「有」に✔が付いているのに引き渡し時にその設備がなければ「付帯設備表」通りに設置して欲しいと請求される可能性もありますので注意してください。 また、設備はあっても、故障や不具合がある場合には、判明している故障・不具合の具体的内容を記載してください。付帯設備表内に書ききれない場合には別紙に内容を記載し、場合によっては写真などを添付すると良いでしょう。ガス給湯器など設備が古い場合は、現在使えていても引っ越しなどして空き家となり使用していない期間があると、引き渡し後に買主がガスの開栓をして使用しようとした時に作動しないケースなどもあるので、機器が古い場合には製造年月日などを記載して買主に注意を呼び掛けておくのも良いでしょう。
以上のように、「付帯設備表」においても、故意に事実を告げなかったり、不利だと思う事を告げていなければ、たとえ売買契約書に「売主は、前項の付帯設備の故障や不具合については、修補・損害賠償その他一切の責任を負わないものとする。」と記されていても、修繕や交換、さらに損害賠償などの法的責任を問われることが有るので注意して記入してください。
最後に、売主は「付帯設備表」に「有」と記載した設備については、買主に引渡すまでの間は、善良な管理者の注意義務をもって使用してください。
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