×
大阪宅建協会とは
×
一般のお客様
×
入会をお考えの方
×

MENU

不動産取引入門

キーワード検索

※複数のキーワードを組み合わせる場合は、スペース(空白)で区切って入力してください。

カテゴリー

建物賃貸借における貸主変更と借主の対応

2026/07/24 カテゴリー: 賃貸借契約 入居後、更新時


 ライター:研修インストラクター 和田 俊信(新大阪支部)

 先日、賃貸で借りているマンションの貸主(大家さん)が変わりました。そこで、新貸主及び家賃の振込先変更の連絡がありました。
 大家さんが変わった場合、借主は何かしなければいけないのですか?

t03_down_600_1

先生イラスト

 賃貸で借りている建物の貸主変更(新所有者へのオーナーチェンジ)は、入居者である借主にとっても、大きな変化や、場合によっては不安をもたらす出来事となります。

 貸主変更は、変更の理由(通常の売買又は競売)で、借主の立場が変わります。
 通常の売買の場合、基本的に賃貸借契約は新貸主に引き継がれます。敷金も(未払家賃等の債務を差し引いた残額が)新貸主に引き継がれます。
 それに対し、競売の場合、借主の対抗力のある賃借権(登記は不要で、建物の場合、物件の引き渡しで対抗力を有します)と抵当権者の抵当権設定登記の早い方が優先されます。

 例えば抵当権が既に設定されている物件を借りた場合、抵当権が優先されます。(敷金返還義務は競落人である新貸主にはありません。競売になる位ですから、旧貸主には通常敷金を返還する金銭的な余力はありません。また競落人に対抗することができないので、退去を要求された場合、6ヶ月間の明け渡し猶予期間経過後、借主は退去しないといけません。また退去まで要求されなくても、新貸主との間で新しい賃貸借契約の締結を要求される事があります。その場合、改めて新貸主に敷金を預け入れることとなります。)

 逆に借主が借りていた物件に、後から抵当権が設定された場合、最先の賃借権となり、借主は競落人(新貸主)に対抗でき、契約関係は通常の売買と同じ扱いになります。

 これらを踏まえて、スムーズな新貸主への契約関係の移行と、トラブルのない賃貸生活を続けるために、貸主、借主それぞれがどのようなことに気をつけ、行動すべきか、以下に順を追って説明します。

【借主がすべきこと】

1. 新貸主からの通知の確認
  • ・ 新貸主から、契約内容の変更や家賃の振込先などの通知が届くので、確認する。
  • ・ 通知の差出人が旧貸主と新貸主の連名になっているか確認する。新貸主の名前しかない場合、本当に建物の所有者が変わっているのかを確認するため、建物の登記を見て所有者が変わっているかを確認する。
  • ・ 不明な点は新貸主、管理会社等に問い合わせる。

2. 契約内容の確認(必要に応じて)
  • ・ 新しい契約書が届いたら、変更点や内容をしっかりと再確認する。
  • ・ 特に、家賃、敷金、礼金、更新料、解約条件、原状回復など、重要な項目の変更の有無を確認する。
  • ・ 契約内容は借主の合意なく貸主が一方的に変更できるものではないため、変更に納得ができない部分がある場合はその旨を新貸主に伝える。

3. 修繕などに関すること
  • ・ 部屋や建物共用部の修繕が必要な場合は、新貸主に対応してもらう。

4. 退去に関すること
  • ・ 借主が法的に競落人に対抗できない場合において、退去を要求されたら、6ヶ月間の明け渡し猶予期間内に退去の手続きを進める。
  • ・ 法的に不当な退去要求の場合は、弁護士に相談する。

【新貸主(新所有者)がすべきこと】

1. 既存の契約内容の確認と(必要に応じて)新契約書の作成
  • ・ 借主との関係を円滑に進めるために、既存の契約内容を確認する。
  • ・ 借主と新たに賃貸借契約を締結する場合は、新契約書を作成する。

2. 借主への説明
  • ・ 貸主変更に伴う既存の契約との変更点について、借主へ説明する。
  • ・ 契約内容に大きな変更がある場合は、その理由を説明し、納得してもらう。

3. 修繕対応(必要に応じて)
  • ・ 特に競売で落札した場合、建物全体の管理が疎かになっていることが多いので、修繕が必要な場合は、迅速に対応する。
  • ・ 借主との信頼関係を新たに築くチャンスでもあるので、誠実に対応する。

【貸主、借主双方が気を付けること】
  • ・ コミュニケーションを密に行い、お互いの理解を深める。
  • ・ 契約内容を再度確認する。
  • ・ 不明な点は、専門家である弁護士等に相談する。

 最後に、オーナーチェンジは、新貸主、借主双方にとって大きな変化をもたらします。スムーズな契約関係、権利義務の移行のために、貸主、借主お互いが協力し、コミュニケーションを密に行うことが大切です。


<免責事項>

 本サイトに掲載しているコンテンツは、一般消費者を主な対象としております。当協会は、掲載内容についてのトラブル等、いかなる責任も負いません。当事者間で解決してください。

 本サイトに掲載されたコンテンツは掲載時点のものであり、利用者の特定の目的に適合すること、有用性、正確性を保証するものではありません。個別具体的な事案については専門家におたずねください。

 予告なく内容の変更、廃止等することがありますが、当協会は、当該変更、廃止等によって利用者に生じた損害について一切の責任を負いません。

 「当ホームページ」に掲載している記事、写真、イラスト、動画などのコンテンツの著作権は、(一社)大阪府宅地建物取引業協会(以下、大阪宅建協会)または、正当な権利を有する第三者に帰属しておりますので無断転載について禁止しております。