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不動産取引入門

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重要事項説明の際の注意点(準備と心構え)

 ライター:研修インストラクター 植田 亮一(なにわ阪南支部)

 明日、重要事項説明を受けます。物件情報や取引条件等の説明以外で、重要事項説明を受ける際に気をつけた方がいい点はありますか?

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 重要事項説明書はページ数も多く、不動産の専門用語もたくさん出てくるので、一般の方には全てを理解することは難しいですね。でも、取引する不動産の「重要」なことが記載されていますので、よくわからないからといって、内容を理解しないまま署名捺印することは後のトラブルの原因になります。不動産取引のトラブルで重要事項説明に関する事項は多数を占めていますので、しっかり理解してから署名捺印をする必要があります。
 今回のご質問は、物件情報や取引条件等の説明以外で、重要事項説明を受ける時に気をつけた方がいい点を知りたいとのことですので、そこにポイントを絞って回答させて頂きます。

  • 1.重要事項説明を行う「宅地建物取引士の宅地建物取引士証」を確認する。
  •    宅地建物取引業法(以下「業法」といいます。)第35条第4項に「宅地建物取引士(以下「宅建士」といいます。)は、(中略)説明の相手方に対し、宅地建物取引士証(以下「宅建士証」といいます。)を提示しなければならない。」とあります重要事項説明書にも宅建士の記載欄がありますので、記載の宅建士と提示された宅建士証の氏名が一致しているか確認してください
  •    宅建士証は必ず原本提示が必要ですので、コピーを提示された場合は、原本の提示を求めてください原本を提示されないのであれば、その日の重要事項説明は中止し、改めて実施してもらうよう依頼する方がいいでしょう
  •    なお、宅建士の住所については取引士証を提示する際、宅建士の個人情報保護の観点から、住所を隠すためのシールを貼付して提示しても、法第35条第4項に違反しない旨、国土交通省の通達により示されています。
  •    重要事項説明書に記載されている宅建士と説明する宅建士が相違する場合は、なぜ宅建士が違うのか確認し(体調不良等の正当な理由があるか)、重要事項説明書の宅建士記載欄に説明する宅建士の記名を追加してもらってください。

  • 2.重要事項説明の時間は十分に確保されているか。
  •    重要事項説明書をご覧になったことはありますでしょうか特に売買の場合、記載事項が多く、全ての内容を説明するには少なくとも数時間を要しますしかし実際には、スケジュールの制約などもあり、限られた時間の中で重要事項説明を行うケースが多いようです
  •    重要事項説明書を初めて目にして、その場で理解するのはむずかしい場合もありますので、重要事項説明を受けても疑義がある状態で納得しないまま署名捺印をしてしまうと、後にトラブルとなる可能性が高くなります分からないところや、疑問に思うところについては、宅建業者へ質問し、十分理解しておくようにしてください

  • 3.非対面で行う重要事項説明の注意点
  •    対面でなく非対面で行う重要事項説明(以下「IT重説」といいます。)が増えてきました時間や場所を選ばずにPCやスマホ等のビデオ通話を用いて手軽に行えるので遠隔地の取引を中心に普及していますしかし、IT重説は手軽さゆえの問題がありますので注意が必要です
  • ① 事前に重要事項説明書を準備しておく必要がある。
  •    重要事項説明書を見ながら重要事項説明を受けるため、スマホ等でビデオ通話を行いながら、同じ画面で小さな文字の書類(PDF)を確認するのは、現実的ではありませんタブレット等、別のデジタルツールを用意したり、重要事項説明書をあらかじめプリントアウトし、紙で手元に用意しておくことをおすすめします
  • ② 対面よりコミュニケーションが取りにくい。
  •    ビデオ通話は対面に比べて最低限のコミュニケーションで済ます傾向があります質問等を遠慮してしまい、疑義があるまま重要事項説明が終わり、署名捺印(電子署名)を行ってしまうと後にトラブルとなる可能性が高くなります
  • ③ 通信環境等の問題があった場合、重要事項説明ができない。
  •    通信環境の問題や機材等のトラブル等で、映像や音声に問題がある場合、重要事項説明を中止する必要がありますすぐに改善できればいいですが、改善できなければ後日に改めて重要事項説明を行う必要があります
  • ④ 重要事項説明書の署名捺印をどのように行うのか。
  •    重要事項説明書を紙で郵送し交付を受けるのか、電子書面で交付を受けるのかという問題があります紙の書面を郵送するのであれば、受取までのタイムラグが生じるほか、郵送中の事故のリスクもあります
  •    また、電子書面の交付を受けるのであれば、デバイス画面上での確認となるため、紙の書面に比べて内容を精査しづらいと言われています。

 物件情報や取引条件等の説明以外でも以上のような注意点があります。
 不動産取引は高額な取引となりますので、トラブルになると金銭的にも精神的にも負担が重くなります。
重要事項説明書の雛形を事前に入手し、疑問のあるところについて質問の上、納得してから重要事項説明を受けるように心がけてください。



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