不動産取引に関する知識

「違法建築物の売買について(接道義務)」

2013年7月31日

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 こんにちは、今回は戸建て住宅ローンを借り換えようとしているAさん(41歳・男性)から、「5年前に買った戸建て住宅のローンを変動金利から固定金利に借り換えようとしたら、銀行から『敷地が建築基準法上の道路に接していないから融資できない』と断られ、ビックリしたのと同時に困っています。」という相談です。博士、よろしくお願いします。

 

 それは大変ですね。まず、建物の敷地と道路の関係について説明いたしましょう。私たちが日常生活で利用する道路は「建築基準法」という法律の中で見ると様々な種類に分けられています。そうして分けられた道路が「建築基準法(第42条)上の道路」に該当し、なおかつその道路に敷地が一定以上接していないと、原則として建物を建築できません。

 

 「建築基準法上の道路」ってどんな道路なのですか?

 

 基本的には「幅員(道路の幅)4m以上のもの」と規定されています。大きく分けて、次のとおりです。

【建築基準法上の道路】
①道路法上の道路(国道、都道府県道、市町村道などの公道)
②都市計画法や土地区画整理法などで造られた道路
③建築基準法の施行日(昭和25年11月23日)時点ですでに存在していた道路
④2年以内に事業執行が予定されていて特定行政庁が指定している都市計画道路など
⑤「位置指定道路」といわれる一般の個人や法人が造った私道で特定行政庁がその位置を指定したもの
※その他、「2項道路」とか「みなし道路」と言われる建築基準法の施行日以前から既にこれらに接して建物が立っていた幅員4m未満の道路で、特定行政庁が指定したものなど


 これらはいずれも、その道路が公道か私道かは関係ありません。

 

 と言うことはAさんの家は、これらのどの道路にも面していないって事ですか?

 

 その可能性もありますね。敷地の前の道路が建築基準法上の道路ではない、あるいはその敷地が道路に面していない可能性も否定できないですね。

 

 えっ、博士、Aさんは「敷地は道路に面していて、敷地と道路の間には何もない」と言ってましたよ。

 

 Aさんはそれを公図(※注1)や地積測量図(※注2)で確認しましたか?一般的には敷地と道路の関係を見ただけで(外見だけで)判断しがちですが、法律上はこうした図面などで判断されますし、中には道路の境い目(境界線)と敷地の境い目(境界線)が一致していない場合も有ります。
だから仮にAさんの敷地と道路の間に他人地が存在していれば、法律上は「接していない」と判断されます。
 都市計画区域(※注3)内にある敷地に建物を建築する場合は、その敷地は建築基準法上の道路に原則として2m以上接していなければなりません。(建物規模や用途により例外有り。)これを『接道義務』と言います。
 だからまずは金融機関がどういう理由で「道路に接していない」と言ったのか、それを探るべきです。

 

 はい、Aさんにすぐにお伝えします。でも博士、『接道義務』を果たしていない事ってあるんでしょうか?

 

 それはありますね。建築基準法上の道路に接していないとか、他人地が敷地と道路の間にある以外に、建築確認書の手続き上では道路の所有権は問わないので、道路部分の土地所有者が同意していれば接道義務を果たし、建物は建ちます。それは道路部分を借地(※注4)するような場合です。ただその後何らかの理由で建築確認書上の道路部分が他に転用されてしまうと、建替えや金融機関の審査に影響あることは必至です。

 

 わぁ、それは大変ですね。

 

 だからまず、購入した時の以下の書類の中から敷地と道路の関係を確認してください。

①『重要事項説明書』の『敷地等と道路との関係』と書かれた項目をチェックする
②地積測量図や公図で敷地と道路間における他人地の有無を調べる
③建築確認書をチェックする(万一、それの引渡しを受けていないならば市町村の役場で建築確認の概要書など取得してチェックする)


 Aさんが5年前に住宅を取得した時は銀行の住宅ローンがついたのですから、関係書類を調べることで問題点がわかると思います。稀に金融機関も見落している場合がありますが、そんな場合でも重要事項説明書にどのように書かれているかがポイントです。その上で大阪宅建をはじめ不動産関連団体が窓口となる相談所などに相談に行くとか、信頼のおける不動産業者がいるならば一度相談して判断を仰いでください。

 

 他にも敷地と道路の事で気をつけるべきことは有りますか?

 

 中古住宅の場合、建築確認時は連棟申請していたのに、完成後一戸ずつに割って一戸建て住宅として販売していたことが、過去にはよくありました。こうしたケースでも接道義務を果たしていないならば、融資は勿論のこと、再建築等もできませんので注意が必要です。

 

 博士、それって違法じゃないんですか?

 

 そうです、そうした行為は違法行為です。ただ残念ながら、そのような住宅が現存しているのも事実です。だから購入を検討する時は十分注意して下さい。
 それから不整形地(正方形や長方形ではないL字型や三角形などの土地)にも注意が必要です。いわゆる旗竿地(袋地から延びる細い敷地で道路に接するような土地)のような路地状部分がある敷地の場合は、道路の接道間口が2mあるとしても途中で幅員が2m未満の箇所があれば接道義務を果たしていないものとされ、建築許可が下りない場合があります。
 また、私道においては、道路表面の管理は官(市区町村)がおこなっていても、その道路部分の土地所有者が民間の個人や法人の場合は要注意です。建替えや上下水道管の口径変更の工事などで道路掘削する時に、市区町村役場から道路土地所有者の同意書(掘削同意)を提出するように言われる場合があります。道路土地所有者から掘削の同意書を得るために金銭を要求され、支払わされる場合がありますので、私道の場合は権利関係に十分留意して下さい。

 不動産を購入する場合は、後々起こり得る「住宅ローンの借り換え」・「再建築」・「転売」などで問題が起こらないように、建物の敷地が建築基準法上の道路に接しており、『接道義務』を果たしている物件かどうか、また、今お話しした私道の権利関係について、宅建業者が契約前におこなう重要事項説明をよく聞いて、よく読んで確認することが重要です。
 後になってから「そんなはずじゃなかったのに」と後悔するようなことが無いように、大阪宅建をはじめ不動産関連団体が窓口となる相談所などを積極的に利用し、購入する前に契約の事前相談をするのがよいでしょう。

 

 

 

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