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「宅建業者の業務に関する義務について(守秘義務等)」

2023/09/08 カテゴリー: 売買

 

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皆様こんにちは。今回は気に入った物件が見つかったので購入を決定し、売買契約を締結したAさんからの相談だよ。売買契約締結前に宅建業者から重要事項の説明を受けたが、宅建業者がそれ以外に説明しなければならないことや他にしなければならないこと、またやってはいけないことなどあるのでしょうか?という内容だよ。いろいろ心配だよね。博士教えてよ。
まず重要事項の説明以外に説明しなければいけないこととして、供託所等に関する説明というものがあるよ。宅建業者と取引した者が損害を被った場合、営業保証金や弁済業務保証金から還付を受けることができるという制度があるのさ。
そういった制度があるんだ。
その制度についてはまた機会があれば詳しく説明するね。宅建業者は契約が成立するまでに、取引の当事者(宅建業者を除く)に対して、営業保証金や弁済業務保証金の供託所等に関する事項について説明しなければいけないのさ。
重要事項の説明と同じように宅建士が説明しないといないの?
これは宅建士でなくてもいいよ。口頭での説明もオッケーさ。説明事項としては宅建業者が保証協会の社員でない場合は営業保証金の供託所とその所在地、保証協会の社員の場合は①社員である旨②保証協会の名称・住所・事務所の所在地③弁済業務保証金の供託所とその所在地だよ。
この制度を知っておけば少しは安心だね。他、しなければならないことは?
業務に関する義務というのがあるよ。①業務処理の原則 宅建業者は取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行わなければならない。②従業者の教育 宅建業者は従業者に対して必要な教育を行うよう努めなければならない。③守秘義務 宅建業者やその従業者は、正当な理由なくして、業務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。特に③の守秘義務は宅建業者が宅建業をやめたり、従業者が退職したりした後でも同様だよ。
家を売ったり、買ったりする理由は人それぞれだよね。人に知られたくないこともあるよね。宅建業者はそんな人の秘密を知ってしまう立場にある。だから守秘義務があるんだね。
そのとおり。あいかわらずたくっちは鋭いね。
ありがとう博士。あと宅建業者がやってはいけないことは?
業務に関する禁止事項というのがあるよ。
まず①不当な履行遅延の禁止 登記・引渡し又は対価の支払いを、不当に遅延してはいけません。「不当に」とは宅建業者が利益を得る目的又は怠慢により約束を守らないことだよ。
これは当たり前といえば当たり前だよね。お金を支払ったのに登記をわざと遅らせようとするなんて許せないよね。
次に②重要な事項の不告知・不実告知の禁止 取引の関係者に大きな不利益をもたらすおそれのある重要な事項を故意(わざと)に相手方に告げなかったり、不実(うそ)のことを告げたりしてはいけません。たとえば損害賠償請求権の行使を妨げるために、物件の隠れた瑕疵を故意に告げないような場合だよ。
うそをつくなんて言語道断だね。
次に③不当に高額の報酬を要求する行為 依頼者に対し、不当に高額の報酬を要求してはいけません。これは実際に受け取らなくても、要求しただけで宅建業法違反になるよ。
報酬に関することは、依頼者、宅建業者お互いに事前にきちんと話し合っておくべきだね。
次に④手付貸与等の禁止 手付について貸付けその他信用の供与をすることにより、契約の締結を誘引してはならない。「手付金は分割払いでいい」、「後払いでいい」、「立て替えてあげる」とかはダメだよ。
次に⑤将来の利益に関する断定的判断の提供禁止 契約の締結を誘引するに際し、相手方に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供する行為をしてはなりません。「将来、◯◯になるので絶対値上がりしますよ」とかはダメだよ。
次に⑥威迫行為の禁止 契約を締結させ、または申込みの撤回もしくは解除を妨げるため、相手方を威迫してはなりません。相手方を脅してなんとか有利にことをすすめようとするなんて許せないことだね。
ほんとうだね。
あと契約を締結させようとして迷惑を覚えさせるような時間に電話、または訪問すること。深夜又は長時間の勧誘、その他私生活又は業務の平穏を害するような方法で困惑させること。これらもしてはいけないことだよ。
博士、ありがとう。宅建業者には実にいろいろな規制があるんだね。Aさんいかがでしたか?これらを踏まえて安心で安全な取引を進めてくださいね。

 

 

 ライター:長村 良二(北摂支部)