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物件見学時のチェックポイントについて(賃貸編)

2019年6月26日 category:

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 こんにちは、今回は物件を借りる際、見学時に注意しなければならないポイントはどんなところという、Aさんからの質問だよ。

 

 物件を見る機会の少ない人や初めての人にとっては、どこをどう注意して見学して良いのかわからないからね。

 

 そう、営業マンと一緒となれば落ち着いて見学もできないし、契約も急がされるみたいだし。

 

 そうだね。賃貸物件の場合は、日ごとに情報が変わるため、返事が遅れて他の見学者に先を越されることもあるからね。

 

 なるほど。

 

 だから早めに決断して即答できるように、見学前に準備をすることを勧めるよ。

 

 どんな準備なの?

 

 そうだね、そこでその前に賃貸物件を借りる際の心構えを少し話しておこう。

 

 博士よろしくお願いします。

 

 まず賃貸物件は、借り物なので自分の思うように内装の変更や設備の増設などはできないし、使用方法についてもいろいろな制限があるからね。

 

たとえば?

 

 中にはDIY賃貸のように自分で改修できる物件もあるけど、通常は内装や設備は現状のまま使用しなければならないし、ペットの飼育や楽器などの持ち込みを禁止している物件も多いからね。

 

 そうか、いろんな約束事があるんだね。

 

 使い勝手が悪いからと言って設備を増やすこともできないし、決めたことを守らなければ契約違反にもなるから注意が必要だよ。

 

 だから、前もって自分に合った物件かどうか調べなければならないのか。

 

 そう、まず物件の内容を予め確認し、チェックポイントを整理したうえで物件見学をすることが大切だよ。

 

 その為にも事前の調べが必要なんだね。

 

 だからまず、自分の住まい選びで譲れない条件に優先順位をつけ、リストにしてみるんだ。

 

 何にこだわるかだね。

 

 周りの環境であったり、建物の構造や設備であったり、自分にとって最低限必要な事からリストにしていくんだよ。

 

 そうか、予算のなかで効率よく探すためにもね。

 

 その為にはたくさんの情報を集めて、いろいろな物件から選択することだね。

 

 物件見学は家族みんなで行くの?

 

 できればその方がいいよ。同居人の多くの視点で見れば見落としも少ないからね。

 

 なかなか、みんな揃わないかも。

 

 それと、建物内の見学はできる限り日中の明るい時間がいいよ。

 

 日当たりや、部屋の明るさが気になるものね。

 

 特に賃貸物件の場合は、建物内部をしっかり見る必要があるからね。

 

 なぜなの?

 

 内装や設備はもちろんのこと、借りようとする物件は、明け渡しをする際に原状復帰という約束があるんだよ。そのため契約時の状態に戻す必要があるからね。

 

 そうか、元に戻すために確認する必要もあるのか。

 

 そうだよ。特に借りようとする物件は細心の注意を払って見学する必要があるね。では、心の準備はできたかな?

 

 いざ、物件見学にしゅっぱ~つ!

 

 その前に忘れ物はないかな? スマホ、メジャー、方位磁石の3点セットにメモを用意しよう。

 

 スマホ?

 

 最近は固定電話を利用しない人が多いから、電波状態も確認したいしね。また了解が得られれば、写真にも撮っておきたいからね。

 

 そうだね。気になるところは後から確認できるものね。

 

 物件見学にあっては、できるだけ駅から自分の足で歩いてみよう。

 

 歩いて?

 

 通勤や通学の際の様子も分かるし、場合によっては朝・昼・夜、平日・日曜・祭日と時間と曜日を変えて再度見学することも大事だね。

 

 そうか、周りに会社や工場などがあれば日時によって様子も変わるものね。

 

 ところで、見学する物件は戸建てか、アパート・マンションか、建物の種類は決まったのかな?

 

 建物の種類によってチェックポイントは変わるの?

 

 そうだね。戸建ての場合は建物や周りの環境を注意すればよいのだけど、アパートやマンションなどの共同住宅は入居している人はもちろんのこと、共用部分であるエントランスや廊下階段にも目をやらないといけないからね。

 

 そうか、共同で住まいするものね。

 また、戸建ての場合は町内会の付き合いもあるので、近所を気にかける必要があるね。

 

 マンションやアパートの場合はどうなの?

 

 やはり両隣や上下階は気になるね。その上、自分のライフスタイルを考えなければならないね。
 ライフスタイル?

 

 住まいについて求められることは人それぞれだけど、ライフスタイルによって入居者の生活習慣も異なり生活時間も変わってくるからね。

 

 住む人によって心地よい環境かどうかも変わるんだ。

 

 では、次に物件そのものを見てみよう。

 

 ようやく建物の見学だね。

 

 まず、建物の構造と外観を見ることから始めよう。

 

 どこをチェックすればいいのかな?

 

 隣家の遮音性が気になる人にとっては構造が重要となるし、建物の外観が気になる人は壁の材質やデザインであったり、優先順位は人それぞれだからね。

 

 そうか、次に建物内部ではどんなことに注意すればいいの?

 

 部屋へ入ったときの第一印象は大切にすべきだね。天井の高さや空間の広さなど。またカビや排管からの嫌な臭いが無いことも、心地が良いと感じられる基準だね。

 

 ほかに窓を開けた時の景色や見晴らしも大事だよね。

 

 そうだね。部屋の明るさや風通しなどは、窓の位置や大きさ、方向によるからね。

 

 ベランダはどうなのかな。

 

 エアコンの室外機の置場や洗濯物を干すのに広さは十分かな。

 

 台所、洗面所、お風呂、トイレなどの水を使う場所は特に気になるよね。

 

 そうだね、洗濯機や冷蔵庫など電化製品を配置するスペースが十分にとれるかどうか、寸法も確認する必要があるね。。

 

 ドアや扉もしっかり閉まるのかな。

 

 他にも気になるポイントを次の表にまとめてみよう。

 

建物のチェックポイント

建物周辺

 〇付近......道路・施設(騒音・臭気)

建物

 〇構造......(鉄骨鉄筋コンクリート・鉄筋コンクリート・鉄骨造・木造)

 〇壁面......(タイル・吹付タイル・塗装)

 〇壁......(コンクリート・ALC・ブロック・ボー )

 〇日照・通風......窓・換気口(方角・大きさ・位置)

 〇防火......(消化設備・火災報知器)

 〇防犯・防災......(オートロック・セキュリティ・非常階段出入口)

駐・車・輪場

 〇車庫......(駐車場(有・無)・屋根付(有・無))

 〇駐輪場......(有・無)

 

 

 設備に関しては、建物に備え付けてあるものと、前の入居者が残して行ったものがあるので確認が必要だよ。

 

 残して行ったものはどうなるの?

 

 故障や使えなくなった場合は、自分で修理や取替えしないといけない場合もあるので注意が必要だね。

 

室内のチェックポイント

 〇雨漏り跡(壁・天井)の確認 〇かび跡の確認 〇結露 〇建具の閉まり具合

 〇床鳴りの確認 〇排管臭 〇収納スペース

 〇住宅設備

 1.台所設備(コンロ・オーブン) 2.洗面所 3.風呂・シャワー

 4.給湯器 5.トイレ(ウォシュレット) 6.エアコン

 7.床暖房 8.配電容量 9.コンセント位置

 10.ネット環境 11.ケーブルテレビ

 

 

 

 いろいろとチェックする項目があるんだね。

 

 建物内部については現状の確認も含め、設備についてもメモや写真に収め、後から見直すことも必要だね。

 

 そうか、後から気づくこともあるからね。

 

 アパートやマンションなどの共同住宅の場合は、通常違反建築でない限り建築基準法に基づいて建っているため、採光や通風に関しての最低限の基準は満たしているんだ。でも付近の建物の影響により採光や通風も悪くなる恐れもあるので、周りの建物も見ておかなければならないね。それと、共用部分の管理状態に目を配ることも大切だよ。

 

 共用部分の管理?

 

 マンションは管理状態によって家主さんの経営姿勢や、どのような人たちが入居しているのかだいたいの想像はつくからね。

 

 管理が行き届いていないと、入居してからのサービスや対応も心配だよね。

 

 そこで共用部分のチェックポイントを表にしてみよう。

 

 〇玄関ホール:集合ポスト、掲示板、の使用状態

 〇廊下・階段:清掃状態、蛍光灯の球切れ、私物の放置

 〇エレべーター:清掃状態、落書き

 〇駐輪場:整理状況、車両の種類

 〇ごみ置き場:清掃状況、ごみの分別

 

 ほかに物件見学の際に注意することはあるのかな?

 

 入居してみたら上階の人がうるさいなんてことのないように、見学の際に近隣住戸のことを業者や管理人に聞いておくことはとても大切だよ。

 

 たとえば?

 

 「お隣や上下階にお住まいの方はどんな人ですか?」「夜は静かですか?」「管理はしっかりしていますか?」など

 

 現地で聞いてみるんだね。

 

 また臭気や振動、騒音などの現場でしか分らないことは、自分の感性で感じ取らないといけないね。

 

 五感をつかって、見学をするんだね。

 

 もし、分からない場合や不安に思うようなことがあれば、契約を締結する前に大阪宅建協会をはじめ不動産関連団体が窓口となる相談所まで相談して下さいね。

 

 博士どうもありがとう。

 

 

 ライター 西井 幸男(なにわ東支部会員)