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「不動産の価格査定」

2020年11月26日 category:

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 博士、今回は家を売るときの不動産の価格査定について教えてくださ~い。

 

最近、不動産会社などがインターネット上で、簡単に不動産の価格を査定しているよね。

 

そうだよ。この間も知り合いが、一括査定とかで不動産の価格を査定してみたら、車の買取査定のように何社もメールが返ってきたので迷ったと言っていたよ。

 

不動産の価格査定も車並みになってきたね。

 

不動産の価格ってそんなに簡単にわかるものなんだ。

 

そうとは限らないよ。不動産は車みたいな製品とは違ってそれぞれ個性があるので、そうは簡単にいかないよ。

 

そうだよね。そもそも、不動産の価格はどの様に査定するの?

 

簡単にいうと、査定したい不動産と過去に取引された不動産とを比較するんだ。

 

そうか、過去の例をもとにするのか。でも、そんなよく似た不動産があるのかな?

 

そうだね、不動産にはそれぞれ個性があり、まず「一つとして同じものはない」からね。

 

それならどうして比較するの?

 

それはね、周辺環境や条件のよく似た不動産を選んで、間口、奥行、広さ、地形など個別の不動産の特徴を比較して査定するんだよ。

 

どんな風に?

 

例えば住まいだと、それぞれの交通の便や日照採光や敷地の形状を数値で表すことによって比較するんだよ。

 

数値で?

 

徒歩圏なら距離によって+15.3~、バス圏なら-20.0、日照採光については+5~-15、間口の広さによって0~-5といった具合に利点と欠点を点数(評点)で表し、それを合計して比較するんだよ。

 

なるほど数字だと分かりやすいよね。

 

では、その考え方を数式で表してみよう。

 

 

 

 

この式を見ると分かるように、不動産の査定価格は個別的な特徴を比較した評点以外に流通性比率も影響するんだよ。
流通性比率ってなんなの?

 

例えば去年と今年では物価が変動するし、購入したい人がいるかどうかによっても市場価格が変動するんだよ。

 

そうなんだ。

 

この査定方法を取引事例比較法といって宅建業者さんが不動産を査定する上で、一番多く用いられる方法なんだ。

 

でも、不動産は土地だけじゃないよね。

 

そうだね。マンションについては建物価格も含めての取引事例を比較するんだけど、戸建てなどは建物についても別に査定しないといけないね。
だったら建物の査定価格はどうやって決めるの?

 

建物については、まず現在新築される場合の価格を算定し、それを築年数によって減価するんだ。また建物の状況によっては修正を加え査定価格を決めるんだよ。

 

築年数や建物の程度で査定価格を上下するんだ。

 

また、建物の構造すなわち木造・鉄骨・鉄筋等によっても減価する際の比率(減価率)を変えたりもするんだよ。

 

なるほど。

 

このように、建物については原価法という査定方法を使用するんだ。

 

土地と査定する方法が違うのかぁ?他にも査定方法があるのかな?

 

他には収益還元法という査定方法もあるんだけど、不動産の種類によって査定の方法が異なるので下の表で要点を説明しよう。

 

 

 

 

いろいろあるんだね。
そう、不動産の種類によって査定方法が異なるからこそ、より正確な不動産の査定が出来るんだ。

 

それぞれ不動産にあった査定の仕方があるんだね。

 

一般的な土地の査定価格については、公の機関が発表する土地価格を参考にすることもあるんだ。

 

公が発表する土地価格?

 

土地の価格には、政府が発表する公示価格と地方公共団体が価格の基準としている基準地価というものがあるんだ。

 

国や地方が土地の価格を発表しているの?

 

両者とも毎年、地域ごとに目安となる土地の価格を発表しているんだ。
新聞やニュースで東京の銀座が一番高いという土地の価格?

 

そう、これを公示価格といって、取引の目安となる土地価格の指標を示しているんだ。

 

へぇ~

 

他にも国税局が発表する相続税を算出する為の路線価格や、市区町村が固定資産税を課税する際の評価額というものがあるよ。

 

いろいろな土地の価格があるんだね。

 

路線価格や評価額は税金を計算する為の価格だから、実際取引される価格(実勢価格)とは異なるんだけど、公示価格や基準価格と実勢価格とは一定の関係があるんだよ。
それを表にまとめてみよう。

 

 

 

 

 

そうか、それぞれの価格によっておおよその土地の実勢価格がわかるのか。

 

それと、路線価格については、全国各地の市街地における相続財産を評価する際、土地価格の算出には役立つよ。
最近A I(人工知能)査定ってよく耳にするけど、今回の色々な査定方法とは違うのかなぁ。
基本的には同じ考え方で、コンピューターが多くのデータを収集して計算するか、人間が経験からデータを選択して計算するかの違いだね。

 

だったら、データの多いコンピューターの方が正確なのかな?

 

はじめに言ったように、不動産は「一つとして同じものはない」から、取引事例の選択や売主の事情も考慮に入れてデータを選ぶ必要があるんだよ。

 

査定価格にも差が出るということ?

 

そう、通常、査定には3ヶ月程度で買い手を探すことを目安にしているんだけど、急いで売却したい場合はすぐに現金で買ってもらえる人を探さなければならないし、売却を急ぐ必要がなければ時間をかけて高い価格で買ってもらえる人を探すことができるものね。

 

そうか、売る人の事情も含め、査定価格にも幅ができるのか。

 

そうなんだ。売る人の考え方や条件によっても変わるんだよ。
だったら、高い査定価格だけで宅建業者さんを選ぶのも考え物だね。

 

そう、査定価格が高いからといって、それが売却を保証する価格ではないからね。

 

じゃあ、売却する場合、宅建業者さんをどのように選択したらいいのかな?

 

それには情報の正確さや査定価格の根拠などの説明に、説得力のある宅建業者さんを選ぶのが大切だよ。

 

そうか。だから取引物件周辺の不動産に精通している経験豊かな宅建業者さんに相談することが一番なんだね。

 

そうだね。会社の大小に関わらず、信頼のおける誠実な宅建業者さんを探さなければならないね。
博士どうもありがとうございました。

 

もし不安なことがあれば、宅建協会に遠慮なく相談してくださいね。

 

 

 

 ライター:西井 幸男(なにわ東支部会員)