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「マンションの管理費と修繕積立金について 」

2021年2月 3日 category:

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博士、分譲マンションのパンフレットなどを見ると、その部屋の値段とは別に「管理費○○○○円」や「修繕積立金○○○○円」などと書かれているけど、あれって何ですか?

 

「管理費」と「修繕積立金」のことだね。

それは、その物件に掛かる月々の費用のことだよ。それらを理解してもらうには、分譲マンションの基礎的なことから知ってもらわないといけないね。

 

むつかしそうだなぁ?

 

できるだけ、分かりやすく説明するね。

たくっちは、マンションの専有部分と共用部分って知ってるかな?

 

知ってるよ-、専有部分ってみんなが住んでる部屋のことでしょ、そして、共用部分って廊下とか階段などのことだよね。

 

そうだね、良く知っているね。

そしたら、その住んでいる部屋の掃除や改装等は、住んでいる人がするよね。だったら階段とか廊下の共用部分は誰が掃除をすると思いますか?

 

うーん、管理人さん!でしょ。

 

でも、管理人さんの居ないマンションも有るよね。じつは、マンションのことを法律用語では「区分所有建物」といって、それぞれの部屋の持ち主のことを「区分所有者」というんだよ。

 

「くぶんしょゆうたてもの」と、「くぶんしょゆうしゃ」ですね。

 

マンションに関する「区分所有法」という法律があって、「区分所有者は「管理組合」に加入しなければならず、区分所有者の任意で管理組合から脱退することはできません。」と決まっているんだよ。

 

マンションの部屋を持っている人達全員で「管理組合」を作ってるんだね。

 

そうだよ。管理組合では、区分所有者の共同の利益を害するような行為を排除する必要があるよね。そのため、詳細な規則を「管理規約」として管理組合で設定することが、区分所有法によって事実上義務付けられているんだ。(区分所有法 第30・31条)

 

管理規約にはどんなことが書かれているんですか?

 

管理規約は、国土交通省のガイドラインの「マンション標準管理規約」を参考に作られるのが一般的で、以下のようなことが書かれているんだよ。

 

 

① 敷地、建物、付属施設の範囲

② 専有部分の範囲、共用部分の範囲

③ 敷地・付属施設・共用部分に関する各区分所有者の持つ共有持分の割合

④ 専用使用権の範囲

⑤ 使用細則(使用に関する詳細な規則)の設定

⑥ 管理、管理組合、集会、理事会、会計等に関する事項

⑦ 長期修繕計画の作成を管理組合の業務とする

⑧ 駐車場の使用に関する諸規定を整備

⑨ 専有部分のリフォーム工事の手続規定を整備

 

      (以下省略)     

 

 

 

へぇー、いろんなことが書いてあるんだぁー。管理組合ってたいへんなんだね。

あっ、⑥に管理と書いてあるよ、管理組合が管理をするんだね。

博士、管理っていったいどんなことをするんですか?

 

管理とは、マンションに住んでいる人たちが気持ちよく生活できるように、さっき話をした共用部分の日頃の掃除とか、建物が安全に使われるように点検をしたり、故障や壊れたところの修理をしたりするんだよ。

それともうひとつ、マンション住民のみんなの財産であるマンションを維持して守ることだね。

 

管理って、たいへんなんだなぁ。

 

基本的にはマンションの管理は管理組合がするんだけど、実務となればたいへんな作業で、専門的なことを知らない区分所有者たちだけで運営するには負担が多いので、国土交通省は昭和60年に(公財)マンション管理センターを設立し、管理組合や管理関係者のパートナーとして、良好なマンションライフの実現のためのお手伝いをするようにとしているんだよ。

 

(公財)マンション管理センター (リンク) 

 

それなら管理組合も安心だね。

 

でもね、実際に管理組合を運営していくことはたいへんで、一般的には管理を専門とする会社に委託することが多いんだよ。

 

でも、管理会社に管理を頼むと費用がかかるでしょ。

 

そうだね、管理の形態には、次のような方式が有るんだよ。

 

 

・全部委託管理方式...管理業務の全てを管理会社に委託。 (管理委託費のコスト面の負担が必要)

・部分委託管理方式...管理業務のうち一部を管理会社に委託。 (個々の依頼した業者の業務の管

          理・調整が必要)

・自主管理方式.........管理業務の全てを行う。保守点検は専門業者と直接契約。 (住民の積極的

          な管理業務への参加が必要)

 

 

 

管理の仕方によって管理に係る費用が変わってくるんだね、どの方式にするかは管理組合で決めて、そのために掛かる費用を管理費として月々集めるんだね。

 

ここまでで、マンションの管理ということがどういう事か分かったかな?それでは、ここで管理費と修繕積立金についての説明をしようね。

 

 

・管理費......快適な暮らしとマンションの資産価値を保つために必要な維持管理にかかる費用のうち

      『一般的な維持・管理・修繕』に要する費用に充当されるもの。

      (管理委託費・各種保険・共用設備の光熱費・軽微な修繕費・消耗品費など)

 

・修繕積立金...快適な暮らしとマンションの資産価値を保つために必要な維持管理にかかる費用の

       うち『特別な維持・管理・修繕』に要する費用に充当されるもの。

       ・長期修繕計画に関する費用

       ・不測の事故やその他特別な理由によって必要となる修繕に関する費用

       ・敷地や共用部などの変更または処分等に必要な費用

       ・その他区分所有者全体の利益のために特別に必要となる費用

 

 

 

博士、どちらも同じようだよ。

 

ははは、そうだね、でもよく見るとちがいが分かるよ。

管理費は、『一般的な維持・管理・修繕』に使うんだよ。

そして、修繕積立金は、『特別な維持・管理・修繕』に使うんだ。

 

管理費は、一般的な維持、管理、修繕って、博士のお話で分かったけれど、修繕積立金の特別な維持、管理、修繕の、特別って何ですか?

 

特別というのは、日常の管理以外に台風や地震、事故などの不測の出来事による損傷の修理や、先程の説明の中にあった「長期修繕計画」による修繕のことだよ。

 

長期修繕計画?

 

長期修繕計画とは、マンションの資産価値を保つために建物を風雨から守り、経年劣化による損傷を防ぐために定期的に行うメンテナンス工事の計画だよ。メンテナンス工事は、鉄筋コンクリートの外壁や屋上の塗装、ベランダなどの鉄部の塗装、また各種箇所の雨水進入を防ぐコーキング等、そしてエレベーターが有ればそのメンテナンスなどの部位や工法によってその周期が異なるんだよ。たとえば、ベランダの手摺などの鉄部塗装なら4年毎とか、内部塗装は6年毎、外壁塗装なら12年毎とかの周期で行うんだよ。

 

毎年ではなくて、何年かごとにするメンテナンスの計画なんだ。

 

メンテナンスの中でも、外壁塗装と屋上防水などの約12年周期で行われる工事などをまとめて大規模修繕工事と呼び、その時にはたくさんの費用が掛かるんだよ。

 

そうなんだぁー。

 

国土交通省は、新築マンションでは30年間、既存マンションでは25年間の長期計画を作り、それに対応する準備をするようにと指導しているんだよ。

 

大規模修繕2回分ほどの間の計画を立てるんだね。

でも、博士25年や30年経ったらどうするの?

 

その頃になると、建物の配管や設備にも老朽化が出てくるのでそれらのリニューアルも考えたうえでの更なる長期修繕計画を立て直す必要があるね。

 

博士、そうすればマンションはいつまでも住み続けることが出来るね。

 

そうだね、そのためにはその長期修繕計画の4年・6年・12年毎の諸工事を実行していくために、マンションの入居者全員で計画的に修繕積立金を月々貯めていかなくてはいけないんだよ。

もし、不足することが有れば大規模修繕などのメンテナンスが出来ず建物は荒廃し資産価値も低下してしまうよ。

また、無理にメンテナンスを行うために借り入れや一時金の徴収などを行えば区分所有者全員に多大な負担を負わすことになってしまうね。

特に「中古マンションは、管理を買う。」とも言われているんだよ。

 

博士のお話を聞いていると、管理費と修繕積立金のことが良くわかり、安いことが良いことだとは限らないということが良く分かったよ。

 

新築マンションの管理費や修繕積立金の設定が安い場合は要注意だね。

マンションの規模に合った管理と修繕積立金の設定が肝心だね。皆さんもマンションを購入し区分所有者となった場合には、管理組合に積極的に参加しマンションの管理運営に協力していただきたいですね。

 

そうだね、もしマンションの管理について分からない点や不安に思うようなことがあれば、(公財)マンション管理センターに相談するか、(一社)大阪宅建協会まで相談してみて下さいね。

 

 

 

 

 ライター:長尾 敏春(北摂支部会員)