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「宅地建物取引士制度について」

2022年1月14日 category:

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皆様こんにちは。

今回は気に入った物件がみつかったので購入しようとしているAさんからの質問だよ。

Aさんによるとお世話になる宅建業者さんから、購入するにあたって事前に重要事項の説明を受けたのだけど、その際、宅地建物取引士という人が何か免許証のようなものを提示して説明をしたということなんだ。この宅地建物取引士というのはどのような資格なのですか?という質問だよ。博士、教えてよ。

 

宅地建物取引士とは、宅地建物取引業法に基づき定められている国家資格者だよ。

宅地建物取引業者が行う、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の取引に対して、購入者等の利益の保護を図るため、法律で定められた事務を行う、不動産取引の専門家だよ。

 

宅建業者とどのような関係なの?

 

そうだね。病院とお医者さんのような関係かな。病院の経営者は必ずしもお医者さんである必要はないけれど病院には必ずお医者さんがいるよね。同じように宅建業者の経営者は必ずしも宅地建物取引士である必要はないけれど事務所には必ず不動産取引の専門家であるこの宅地建物取引士が必要なのさ。この宅地建物取引士がいないと宅建業を営むことはできないよ。もちろん宅建業者の経営者が宅地建物取引士である場合もあるよ。むしろこのケースが大半だね。

 

なるほど。宅地建物取引士は宅建業を営む上でとても重要な必須の資格だね。どうしたらこの資格を取得できるの?もっと詳しく教えてよ?

 

いいよ。宅地建物取引士は、昭和33年に当時の建設省(現国土交通省)が宅地建物の公正な取引が行われることを目的として創設した資格だよ。

当初は「宅地建物取引士」ではなく、「宅地建物取引員」という名称だったのだよ。

昭和40年の法改正により「宅地建物取引主任者」となり、平成27年4月1日より現在の「宅地建物取引士」となったのさ。

 

ふ~ん。いろいろと歴史があるね。

 

だよね。まず国家資格なので当然だけど試験があるよ。「宅地建物取引士資格試験」という名称だよ。

人や企業が活動する為に必要不可欠な不動産の取引に関係する国家資格なので、不動産業だけでなく金融業などの他業種に携わる人にも国家資格として人気があるのだよ。

試験は、国土交通大臣から指定を受けた指定試験機関(一般財団法人不動産適正取引推進機構)が、各都道府県知事の委任のもとに実施。受験資格は年齢、性別、学歴に関係なく誰でも受験できる。たくっちも受験できるよ。

 

わぉ!俄然、興味わいてきたよ。

 

試験は年1回。

毎年10月の第3日曜日。居住している都道府県の指定された試験会場で行われるよ。

 

そうなんだ。ところで博士、どんな問題が出るの?

 

出題形式は50問四肢択一。解答時間は2時間。試験内容は以下の通りだよ。

宅地建物取引業法施行規則により、以下の7分野が定められているよ。

1.土地の形質、地積、地目および種別ならびに建物の形質、構造およ

 び種別に関すること

 ( 土地や建物について不動産に関わる者としての常識的な知識 )

2.土地および建物についての権利および権利の変動に関する法令に関

 すること

3.土地および建物についての法令上の制限に関すること

4.宅地および建物についての税に関する法令に関すること

5.宅地および建物の需給に関する法令および実務に関すること

6.宅地および建物の価格の評定に関すること

7.宅地建物取引業法および同法の関係法令に関すること

 

なんか難しそう。

 

そうだね。かなり広範囲にわたって専門的な知識が要求されるよ。下記の表は最近5年間のデータ(全国)だよ。

 

 

 

 

実施年度受験者数(人)合格者数(人)合格率(%)合格点
2016 198,375 30,589 15.4 35
2017 209,354 32,644 15.6 35
2018 213,993 33,360 15.6 37
2019 220,797 37,481 17.0 35
2020 10月試験 168,989 29,728 17.6 38
2020 12月試験 35,258 4,609 13.1 36

 

 

 

うわぁ~。合格率約15%ということは100人受けたら85人は不合格ということ?

ちょっと厳しいんじゃない?

 

そうだね。そう簡単に合格する試験ではなさそうだね。しっかりと勉強しないといけないね。

 

・・・・・。それで博士、合格してからはどのような流れになるの?

 

 

いろいろ段階があるね。ところで、宅建士の事務とはいったいどういうことをするの?

 

いよいよきたね。肝だね。

まず、先ほども少し触れたけど、宅地及び建物の取引に際しては、権利関係が複雑で、法令上の制限も多いほか、契約の取引条件も複雑かつ取引価額も高額であることから、宅建業者は宅地建物取引に関して専門的かつ広範な知識を有する宅建士の設置を義務付けられている(専任の宅建士 従業者5名に1名以上)。

また、Aさんが受けた重要事項の説明は、宅地建物取引についての経験や知識の乏しい消費者が、契約対象物件や取引条件について十分理解しないままに契約を締結し、後日、契約目的を達成できず不測の損害を被るといった状況を防ぐため、契約締結の判断に重大な影響を与える事項について宅建士に説明させることを宅建業者に義務付けたものなのさ。

①重要事項の説明(宅建業法第35条)*宅建士証の提示義務あり

②重要事項説明書への記名・押印

③契約内容記載書への記名・押印(宅建業法第37条)

上記①~③が宅建士証の交付を受けた者のみが行える事務だよ。他の人はできないよ。

したがって、試験に合格しただけでは実際に宅建士としての事務はできないのだよ。

 

博士。よくわかったよ。僕も今年の宅建士試験にチャレンジしてみるよ。年齢制限ないのでしょ?頑張るよ。

 

たくっち。応援するよ。

 

ありがとう。

Aさん、宅建士の概要についてご理解いただけましたか?皆さんも、是非、宅建士試験にチャレンジしてみてください。

 

 

 

 

 ライター:長村 良二(北摂支部)