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「成人年齢引き下げと不動産契約について」

2022/02/14 カテゴリー: その他

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下記記事のPDFファイル
(容量:488KB PDF形式)いったんPCへ保存したのち開いて下さい。

 

 

ねぇ博士、令和4年の4月1日から「成人年齢の引き下げ」られるんでしょう?

 

へぇーたくっち、良く知っているね。

 

うん、でも「成人年齢の引き下げ」って、一体どういうことなんですか?

 

いままで、成人(大人)は20歳以上とされていたんだけど、平成30年6月に民法改正があって、今年の4月1日から成人の年齢を18歳以上と引き下げられることが決まっているんだよ。

 

今は、18歳以上なら選挙の投票は出来るよね。
それが4月1日からは他の事でも大人として出来る事になるということなんですか?

 

そうだね、ただしお酒を飲むことやタバコを吸うこと等と競馬や競輪等の賭け事は、今まで通り20歳以上でなければ出来ないんだよ。

 

えっ、お酒やタバコとギャンブルが出来ないんなら今までと変わらないじゃないですか?
一体何が出来るようになるんですか?

 

成人になるということは、親の同意なしに法律行為が出来るということなんだよ。

 

ほうりつこうい?

 

そう、法律行為とは契約や結婚等のことで、未成年者がこれらのことを行おうという時は親の同意が必要だよね。その親の同意が必要だった年齢を20歳未満だったのを18歳未満に引き下げるという事なんだよ。

 

 

成年年齢の引き下げで変わるもの・変わらないもの

(「政府広報オンライン・暮らしに役立つ情報」 平成30年(2018年)8月24日)

 

 

契約って、むつかしいことだよね。

 

未成年者が、さまざまな契約を自分だけで行うことは認められていないので、親か未成年後見人等の同意が必要で、その同意が得られない場合には契約を取り消すことができ、取り消された場合にはその契約は初めからなかったことになると民法に規定されているんだ。
(民法 第5条・第120条・第121条 参照)

 

誤った契約や、不利な契約を取り消すことが出来て、守ってもらえるんだね。

 

それが、令和4年4月1日から18歳以上の人達は自己責任となり、誤った契約や不利な契約であったとしても契約を締結した場合には成人(大人)として扱われ取り消し等が出来なくなってしまうんだよ。

 

成人として扱われるということは、自分自身で物事を決められる替わりに責任も自分自身でとらないといけないという事なんですね。

 

そうだね、今までは親任せでやっていた事を自分自身で決めて契約して、その契約を自分自身で履行しなければならなくなるんだよ。もし、履行しなかった場合の責任も自分自身で取らないといけないということだね。

 

でも、契約ってもっと歳を取ってからするものでしょ?

 

若い人達に関係する契約といえば、例えば携帯電話の契約とか、旅行の契約とか、クレジットカードの契約とか、一人暮らしをするための部屋を借りる時の賃貸借契約とか、ガス・電気・水道等のライフラインの契約等が身近な契約かなぁ。

 

えっ、そういうのも契約になるの。

 

そうなんだよ、今まで何気なく使ったり利用していたものも、それぞれの契約の上で成り立っていて、親や未成年後見人等が契約しているものや同意を得たものを使わせてもらっているんだよ。

 

へぇー、いま自由に気ままに使ったり利用している事もいろいろな契約が有って出来ているということですね。

 

そうだよ、たくっち良くわかったね。

 

それが18歳からいきなり自分自身で決めて契約をしなくてはいけなくなるのですか?

 

まだ実生活の体験の少ない高校を卒業仕立ての年齢の成人たちに、いきなり全ての契約をというのは難しいので、実際の生活に合わせて徐々に契約というものの目的とルールを覚えていくことが大切だね。

 

お父さん、お母さんたちに守られている間に勉強するんだね。

 

そうだね、特に親元を離れて一人暮らしを始める人達にとっては、部屋を借りるための契約からライフラインの契約と多くの契約が一度にスタートするので注意が必要だよ。

 

賃貸借契約だね!
18歳以上で一人で住むのなら、成人だから自分で契約をしなくてはいけないんだね。

 

いやいや、住むのが18歳以上だからその人が借主とは限らないんだよ。大切なのは誰が月々の家賃を支払うのかということだね。予備校生や大学生等のように収入のない人が借主となることは貸主も認めないでしょう。実際に家賃を支払っていくのが親であれば、親が借主となって入居者を本人とする方がいいでしょうね。
また、親が借主で家賃を払っていても、電気・ガス・水道代は本人が払うのなら本人が契約者となることになるでしょうね。

 

実際に家賃を支払う人が借主なんだね、だったら18歳以上で就職をして、その給料で家賃を支払っていくのなら本人が借主でいいんですね。
でも、18歳で賃貸借契約をするって難しいでしょうね。

 

そうだね、慣れない専門用語や生活慣習等も有るので、物件選びの時から分からないことは知ったかぶりをせずに、どんどん質問するようにした方がいいよ。

 

博士、重要事項説明書や賃貸借契約書等も難しいよね。

 

これは、宅地建物取引士や宅建業者の皆さんへの注意事項だけど、成人になってまだ実生活経験の浅い方達への重要事項の説明や賃貸借契約の説明には、充分に時間をかけて用語の説明とか条文の意味を注意して説明するようにしてもらいたいですね。ただ読み上げるだけでお客様が理解していないようであれば、消費者保護の立場から説明をしていないと判断されることもあるかもしれません。その場の雰囲気とか勢いだけで契約してしまわないように、宅建業者としては冷静な立場で対応するようにしてもらいたいものですね。

 

部屋を借りて生活するうえで特に注意することや禁止事項なんかは、例を上げて説明してもらうと分かりやすいんだよね。

 

そうそう注意することといえば、未成年者の携帯電話の契約やクレジットカード等は親等の契約の家族という扱いで利用させてもらっていて、料金の支払いや返済等は本人がしなくても親等がしてくれていたと思うのですが、成人となって自分自身が契約者となると、料金の支払いや返済を滞納すると信用情報機関のブラックリストに登録されてしまい、将来不動産の購入のための住宅ローンの審査が通らなくなってしまうなどの事になってしまうので充分に注意することだね。

 

そうだね、大切なのは今だけの事ではなくこれから先の将来の事だよね。

 

2021年11月1日(月)~2022年3月31日(木)までの間、全宅連※1及び全宅保証※2では消費者セミナー「大人へのトビラ」というスペシャルサイトを公開しているので参考にするといいよ。不動産取引に関連する情報をマンガ形式やクイズを通じて楽しく学べるよ。

※1 (公社) 全国宅地建物取引業協会連合会
※2 (公社) 全国宅地建物取引業保証協会

 

 

 

 

 

へぇー、マンガやクイズなら楽しく学べるね。このQRコードから見られるのかなぁ。

 

そうだよ、もしトラブルに巻き込まれた時や分からない点や不安に思うようなことがあれば、消費者ホットライン「188(いやや)!」か、(一社)大阪宅建協会まで相談してみて下さいね。

 

 

 

 

 

 

 ライター:長尾 敏春(北摂支部)