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「相続登記の申請義務化について」

2023/10/10 カテゴリー: 売買

 

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博士、最近「相続登記」ってよく聞くんだけどなぜなの?
そうだね、それは全国的に空き家が増えてきて社会問題となってきていて、その要因の一つとして「相続登記」が注目されているからなんだょ。
相続ってお金持ちの人たちの問題でしょ。
それは相続税の問題だね、資産や不動産がたくさんある人たちには相続税という税金がかかり、その税金のために資産や不動産の整理をして相続税を計算し、それに応じて不動産は相続登記を行うんだけれど、その相続税のかからない程度までの相続の資産のうちの不動産の登記が放置されてしまっていることが問題となってきているんだよ。
相続税のかからない相続ってあるんですか?
相続税とは、亡くなった方のすべての財産および負債(葬儀関係など特定のものを除く)が対象となりますが、下記の額以下の場合には非課税となるんだよ。
基礎控除は、3,000万円+600万円×法定相続人の数 の額
博士、法定相続人の数ってどうすれば分かるんですか?
法定相続人は、特に遺言等がない場合は民法で定められた相続の順位で決まってくるんだよ。亡くなった方の配偶者は常に相続人で、配偶者以外は、各順位で一人でも居れば、次順位 以降には相続は発生しないんだよ。
第1順位は、子供(子供が亡くなっている場合は、孫などへの代襲相続)
第2順位は、直系尊属(父母が共に亡くなっている場合のみ祖父母まで)
第3順位は、兄弟姉妹(兄弟姉妹が亡くなっている場合は甥・姪まで)
この順位に従って法定相続人の人数を確定させるんだ、各順位で複数人が居た場合にはその人数で相続持分が案分され人数が決まるんだよ。
博士、相続人の中には亡くなった方の死亡または死亡されたことを知ってから3か月以内であれば相続を放棄する人もいるよねぇ?
たくっち、よく知っているね、法定相続人とは、相続放棄が有った場合でも、その放棄が無かったものとしての人数で計算するんだよ。
それで計算した基礎控除額よりも資産や不動産の合計額が少ない場合には相続税の対象にならないんだね。
そうだねぇ、税務署も相続税の対象となりそうにない相続人たちに対しての通知などはしないので、相続自体がうやむやとなり相続登記をすることもなくなってしまうことが多いんだよ。
相続登記をしていないことが空き家問題の原因となってしまうんですか。
今までは、不動産登記の権利部自体は義務ではなく所有者や債権者が第三者への対抗措置として自主的あるいは契約上の義務により行うもので、相続登記も同様に相続人たちの自由意思に任されていたんだけれど、それが何代にも重ねて放置されていき収集がつかなくなってきてしまっているんだよ。
えーっ何代もって、相続人って子供がいた場合には、子供や孫、曾孫、玄孫って、どんどん増えてくるんだよね。
たくっち、そうなんだよ、そういう不動産の売買を行おうとする時には、買主への所有権移転の前に、相続人全員の相続を受けるのか相続を放棄するのかそれぞれの意思を確認して整理し遺産分割協議書を作成し、それに基づいて相続登記を完了しなければならないんだよ。
博士、遺産分割協議って何ですか?
遺産分割協議とは、亡くなった方のすべての相続財産を相続を受ける人達でどのように分けるのか、相続税の負担割合をどうするのかなどの問題を決める会議で、そこで決まったことを記したのが遺産分割協議書というんだよ。
それなら誰でもたくさん貰える方が嬉しいから揉めてしまうよね。
そこで、特に遺言等がない場合に民法で定められた相続の目安として法定相続分が定められているんだよ。

 

 

 

これはあくまでも目安で、相続人全員が納得するのであれば、法定相続分にこだわる必要はないんだよ。
遺留分って何ですか?
遺留分とは、一定の相続人に対して遺言や遺産分割協議によっても奪う事の出来ない一定割合の相続分のことだよ。
それでも相続人の人数が多いとたいへんな時間がかかってしまうよね。売買には間に合わなくなってしまうね。
そのためにも何代にも相続登記をしないまま放ったらかしにならないようにするために、令和6年4月1日から「相続登記の申請義務化」が施行されるんだよ。
へぇー、具体的にはどういうことですか?
法務省民事局の案内では、以下の通りだよ。

 

 

 

博士、これなら安心だね、でも、既に3年以上経ってしまっている場合はどうするのですか?
この「相続登記の申請義務化」は、過去の相続分にも遡って法律の効力が発生するんだ。つまり、過去に相続した相続登記未了の不動産も登記義務化の対象となり、令和6年4月1日の施行日または相続したことを知った時のいずれか遅い日から3年以内に申請する義務を負うんだよ。
でも、遺産分割協議で揉めて3年以上かかった場合には罰金がかかってしまうんでしょ、それは困るよねぇ。
そのような場合を想定して「相続人申告登記」が用意されているんだよ。

 

 

 

これなら遺産分割協議で揉めていても、相続人申告登記をしておけば安心なんだね。
でも、博士、相続人申告登記さえしておけば遺産分割協議の不調で、いつまででもほったらかしになってしまうのではないんですか?
遺産分割協議で揉める要因の多くは、「特別受益」と「寄与分」の主張なんだ、
特別受益とは、被相続人から贈与や遺贈等を受けた相続人の相続分を法定相続分よりも、その分を考慮して少なくする事なんだよ。
寄与分とは、被相続人の生存中の生活の維持や、財産の維持・形成・管理に貢献した相続人の相続分を法定相続分より多くしようとすることなんだけど、これらの主張に対して、相続開始より10年以内とする制度が令和5年4月1日から決まっているんだよ。
相続開始から10年経ったら法定相続分で決まってしまうという事ですか?
そういう意味ではなく、あくまでも相続で揉めた時の遺産分割での主張に制限を規定したもので、今後も相続人の合意に基づく遺産分割は尊重されるんだよ。
博士、さっき令和5年4月1日からって言ったよね、それってその日からの相続に対して適用されるっていう事なんでしょ。
いやいや、施行日前に発生した相続にも適用されるんだよ。ただ、これまで相続登記を放置していた不動産に関しては5年の猶予期間が設けられているんだ。施行日前に開始した相続に関しては、相続開始から10年経過した日か令和10年4月1日かのいずれか遅い日が期限となるんだよ。
そうなんですね、これで万全とはいかないかもしれないけれど一つの目途にはなるんだね。
博士、これで相続登記が進んで空き家問題が少しでも解消してくれるといいですね。
そうだね、この他にも「相続土地国庫帰属制度」(令和5年4月27日施行)も有るんだけれど、今日はこのへんで終わりにしよう。
もし分からない点や不安に思うようなことがあれば、各都道府県の法務局の窓口や司法書士事務所、または(一社)大阪宅建協会まで相談してみて下さいね。

 

 

 

 ライター: 研修インストラクター 長尾 敏春(北摂支部)