不動産取引Q&A不動産取引Q&A一覧

物件見学時のチェックポイントについて(売買編)

2019年12月 2日 category:

 「当ホームページ」に掲載している記事、写真、イラスト、動画などのコンテンツの著作権は、(一社)大阪府宅地建物取引業協会(以下、大阪宅建協会)または 正当な権利を有する第三者に帰属しておりますので無断転載について禁止しております。

 

 

下記記事のPDFファイル
(容量:592KB PDF形式)いったんPCへ保存したのち開いて下さい。

 

 

 こんにちは、今回はお家を買う場合、見学時に注意しなければならないポイントはどんなところという、Aさんからの質問だよ。

 

そうだね。家を買うとなると、人生において何度もないことだから慎重に進めないといけないね。

 

 賃貸物件の場合(2019年6月26日「物件見学時のチェックポイントについて」参照)と、どうちがうのかなあー

 

 そうだね。賃貸物件の場合は気に入らなければ家を家主に返せば済むけど、売買物件の場合はそういうわけにはいかないからね。

 

 そうか、ローンがあれば返さないといけないし。

 

 家を購入するということは、資産として所有するのはもちろんだけど、維持管理もすべて自分で行わなければならないからね。

 

 そうか、楽しみもあるけど、その分責任も重いよね。

 

 その為にも失敗しないよう、まず購入する前の心構えを少し話しておこう。

 

 心構え?

 

 まず売買物件は、いったん買ってしまうと売却するのにも時間と費用が掛かるし、すぐに買い替えるわけにはいかないからね。

 

そうだよね。

 

 税金も必要だし、保険やローン手続きなど余分な費用も発生するからね。

 

 引っ越し費用のほかにも色々とかかるんだね。

 

 その為にも、購入代金以外に諸費用を含め自分にあった予算を検討し、無駄や無理の無い物件選びをしないといけないね。

 

 支払えなくなったら大変だよね。

 

 将来の人生設計を行ったうえで、長期的な視野で物件探しをしないといけないね。

 

 人生設計?

 

 そう、自分の収入や勤務地、子育てなどのライフサイクルを考えたうえで、交通の便・周りの環境・生活施設など、事前に必要な条件をリストアップしておく必要があるね。

 

 何事も準備がたいせつだね。

 

 そこで気に入った物件があれば、先ず物件見学する前に付近の住宅地図を準備しておくことを進めるよ。最近は自然災害も多いので、役所などでハザードマップも合わせて用意しておくといいね。

 

 周りの地図を用意するの?

 

 そう、インターネットのグーグルマップなどで、物件の周辺や上空から映像で見ることができるからね。

 

 そうか、前もって周りの様子をみるのか。

 

 広い視野で見ることによって、現地で気が付かない地域の特徴や、環境を予め確認することができるからね。

 

 なるほど。

 

 それでは下の表のように、周辺環境の注意点をリストアップしたうえで、付近地図を持って物件見学に行こう。

 

〇安全性の確認

 (自然環境)  山・川・海等の自然環境 ...... 自然災害・ハザードマップ

 (公園施設)  グランド・公民館 ...... 避難施設

〇利便性の確認

 (交通機関)  最寄り駅・バス停 ...... 通勤時間・始発終電時間・道筋の安全性

 (公共施設)  役所・郵便局・警察署・銀行 ...... 日常生活

 (医療施設)  診療所・病院 ...... 健康管理

 (教育施設)  小・中学校 ...... 通学の安全性

 (買物施設)  ショッピングセンター ...... 日常生活

〇快適性の確認

 (付近の環境) 幹線道路・高圧線・嫌悪施設 ...... 騒音・電波・臭気 

 (隣接建物)  高い建物 ...... 日当たり・風通し

 

 

 では地図をたよりに、しゅっぱーつ!

 

物件見学は最寄り駅から現地まで歩いて行くことを勧めるよ。

 

 自分の足で?

 

 業者さんに現地まで車で連れてもらうとなると、通勤路の様子や所要時間も分かりづらいし、おまけに業者さんに気を使う分冷静な判断ができないよね。

 

 そうだね、物件が気に入らなかった場合でも、断りやすいものね。

 

 それと、もし気に入った物件があれば現地に何度か足を運ぶ必要があるよ。曜日や時間帯によって、周りの環境は変化するからね。

 

 お店や会社の様子も平日と休日、朝と夜、それと天候によっても変わるものね。

 

 そして現地に到着したら、まず物件前の道路に注目しよう。

 

 道路?(2017年6月23日「道路について」参照)

 

 車が通り抜けできるような道かな、それとも行き止まりになっていないかな。

 

人は通り抜けることができるけど、車はどうかな?

 

 道路の幅や道路に接する間口によっては、建物が再建築できないこともあり、特に行き止まりの道や舗装されていない場合は注意が必要だよ。

 

 なぜなの?

 

 行き止まりの道や砂利道などは、役所によって管理されていないケースがあり、建築ができない場合や車が通行できない場合もあるんだ。

 

 へえーそんな道路もあるんだ。

 

 だから、物件見学の場合はまず道路に着目する必要があるんだよ。

 

 それから、ゆっくりと建物を見学するんだね。

 

 見学のための持ち物は用意しているかな?

 

 はーい、スマホ、メジャー、方位磁石にメモ~

 

 写真は了解を得たうえで撮っておくと、後から確認できるものね。また、建物内の見学はできる限り日中の明るい時間がいいよ。

 

 日当たりや、部屋の明るさが気になるものね。

 

 では、物件見学時のチェックポイントを見てみよう。

 

敷地周り

 〇道路との境界及び高低差 〇隣地境界 〇隣地との高低差......再建築の際

 〇近隣の空地......将来の変化

建物の外部

 〇外壁 〇屋根 〇軒庇 (クラック、ひび割れ、シミ、たわみ)......修理の時期

建物内部

 〇雨漏跡(壁・天井)の確認 〇かび跡の確認 〇結露 〇建具の建付 〇床鳴り

 〇電気容量 〇排管の臭気......不足不具合の確認

 〇ベランダ・窓・換気口 (方角・大きさ・位置)......通風・採光

 〇収納スペース 〇駐車スペース......広さの確認

 〇火災報知器・セキュリティ設備......防火・防犯・防災

建物設備

 〇台所設備(コンロ・オーブン) 〇洗面所 〇風呂・シャワー 〇給湯器

 〇トイレ(ウォシュレット) 〇エアコン 〇床暖房 〇配電容量 〇コンセン

 ト位置 〇ネット環境 〇アンテナ施設......動作確認

 

 

 住まいを選ぶには、快適性が一番大切なんだ。その為には通風採光に気を付けなければならないよ。

 

 家に入ったときの第一印象は大切だね。

 

 そう、窓を開放し、自然の採光や風通しを感じ、カビなどの嫌な臭いが無いことも、心地が良いと感じられる理由だね。

 

 ほかに窓からの景色や見晴らしも気になるよね。

 

 そうだね。窓の方角や位置、高さや大きさも通風採光に影響するからね。

 

 ベランダはどうなのかな。

 

他に部屋やキッチンや洗面所などの水回り、冷蔵庫や洗濯機など電化製品を配置するスペースが十分にとれるかどうか、寸法も確認する必要があるね。

 

 ドアや扉もしっかり閉まるのかな。

 

 でも見学する際に大事なことは「変更できること」と「変更できないこと」を区別して見学することだよ。

 

 それはどういう事?

 

 購入した場合は、賃貸とは違って自分の物になるので、予算次第で建物の間取りや設備は変えることができるし、マンション以外であれば建物の建て替えだって可能だよね。

 

 そうか、自分で変更や改良できることは優先順位で後回しにするのか。

 

 そう、立地条件や周りの環境は自分では変えられないけど、建物についてはある程度、自分好みに変えることができるからね。

 

 そうか、他に注意をするところはどんなところかな?

 

 建物内を見学した後は、外に出て建物周りを見てみよう。

 

建物の外部を観察するの?

 

 それと合わせて、土地の境界も確認しておこう。

 

 境界?

 

 隣との土地の境が明確でないと、のちのちトラブルの原因にもなりかねない。他に建物の軒や庇、エアコンの室外機などの越境はないのかも見ておこう。

 

 引っ越ししてからお隣と争いになったら困るものね。

 

 そう、快適に居住するためには、近隣ともよい関係を築かないといけないからね。

 

 戸建て、マンションによってチェックポイントは変わるの?

 

 そうだね。マンションは「管理を買え」というくらいだから。共用部分であるエントランスや廊下階段のほか下記施設にも目をやらないといけないからね。

 

○集合ポスト ○宅配ボックス ○エレべーター ○駐輪場 ○駐車場 ○ごみ置場 ○集会場 ○ゲストルーム ○トレ-ニングルーム等の共用施設  ○オートロック ○防犯カメラ ○将来の修繕予定 ○修繕積立金等の確認

 

 

 共用部分の管理?

 

 マンションのグレードは管理状態によって、住んでいる人の生活水準も判断されるからね。

 

 管理が行き届いていないと、物件価格にも影響するのか。

 

 入居してみたら上階の人がうるさいなんてことのないように、見学の際に近隣住戸のことを売主や業者さんに聞いておくことはとても大切だよ。

 

 管理人さんからも聞いておくといいね。

 

 また臭気や振動、騒音などの現場でしか分らないことは、自分の感性で感じ取らないといけないね。

 

 五感をつかって、見学をするんだね。

 

 最後に物件の選択手段としては、将来引っ越しすることも想定し、売却しやすいまたは貸しやすい物件を選ぶべきだね。いざ資産として処分する際や買い替える場合には有利になるからね。

 

 その為にも、業者さんたちのプロの意見を聞いてみるのがいいね。

 

 もし、分からない場合や不安に思うようなことがあれば、契約を締結する前に大阪宅建協会をはじめ不動産関連団体が窓口となる相談所まで相談してね。

 

 博士どうもありがとう。

 

 

ライター西井 幸男(なにわ東支部会員)